浮き屋根タンクの消火システム:WLANで集中状態監視

WLAN 5100アクセスポイントは状態の情報をPROFINET経由で伝送

Saval BVの本社  

Saval BVの本社

原油や他の化石原料は安全に保管して処理する必要がありますが、これはとりわけ爆発の危険性があるためです。そこでドイツ企業のSaval BVは浮き屋根タンクに特別な消火システムを設計しました。

コントローラとI/Oモジュールでシステムの状態をフエニックス・コンタクトのWLANアクセスポイントとともにウェブベースで監視できます。

アプリケーション

特定の原油タンクエリアでは爆発の危険性が極めて高いため、タンクはATEX指令に準拠してゾーン0に分類されています。

多く場合固定屋根タンクが使用されており、タンクが満たされ始めると貯蔵する原料と固定屋根の間に爆発の危険性がある環境が生まれます。

浮き屋根タンクの消火器  

消火器は浮き屋根の先端に取り付けられています。

浮き屋根タンクは貯蔵する原料の上に屋根が浮いている新たなソリューションです。この屋根は自由に移動するのでタンクの壁面部にフレキシブルシールが必要です。

ただしタンクの壁面とシールの間には貯蔵する原料から発生する少量の気体がたまります。気体が周辺空気と混じり合うと引火性混合物が生成されます。落雷や火花から生じる静電気で火災が発生することがありますが、発生直後は消し止めることもできます。しかし火災に気づかなければあっという間に火が広がり消火不能に陥ります。

以上を踏まえてSavalは周囲40 mのタンクを保護できる消火器とスプリンクラーシステムによる消火システムを設計しました。浮き屋根タンクは直径120 mで、複数の消火システムを必要とすることもあります。

自動消火システムでは2つのデジタルシグナルから防火システムの状態に関する情報が提供され、これを監視する必要があります。消火システムには消火器の液面を監視しする液面スイッチとシステム圧力の情報を伝える圧力スイッチがあります。

浮き屋根シールの隣のエリアにはゾーン0が割り当てられています。2つのデジタルシグナルはゾーン1に設置した分電ボックスに収集されます。火災が発生すると液面スイッチと圧力スイッチが同時に作動します。一方もしスプリンクラーシステムに漏れがあれば圧力スイッチだけが作動します。液面スイッチも同様で、消火器に漏れがあればスイッチが作動します。

 

本質安全I/Oモジュールはローカルバスに連続的に追加可能

集中ソリューションのコンセプトに応じて、デジタルシグナルは非防爆エリアに設置した監視パネルに有線で送信されます。監視パネルはInline製品ラインアップのモジュラーILC 171 ETHコントローラと本質安全Ex i I/Oモジュールで構成されており、フエニックス・コンタクトが特に防爆エリア向けに開発しました。

本質安全端子台には特殊Inlineモジュールから電源が供給されます。コントローラのローカルInlineバスに連続的に追加することができ、液面スイッチと圧力スイッチのデジタルシグナルを記録します。

EXDコンテナ、SK 3100  

SK 3100 EXDコンテナでモジュラーInline PROFINETコントローラとI/Oモジュールを接続するWLAN 5100アクセスポイント

シグナルをPROFINETおよびWLAN経由で転送

石油タンクに使用可能な通信構造がない場合、新しくケーブルを敷設するのは極めて困難です。このためSavalは分散ソリューションのSK 3100保護コンテナを設計しました。この保護コンテナには本質安全モジュールを接続したモジュラーPROFINETコントローラが格納されています。

分散SK 3100ステーションは4つの消火システムを監視し、WLANを通じて中央に設置したSK 3000監視パネルにシグナルを伝送します。このパネルにはモジュラーILC 330 PN高性能コントローラが搭載されています。WLANアクセスポイントはSK 3100とSK 3000の間でデータを伝送します。

このデバイスはIEEE 802.11e標準を満たしPROFINETアシスタンスモードをサポートしていますが、これは2台のInlineコントローラがPROFINETプロトコルで相互に通信できることを意味します。産業用PROFINETパケットも優先できます。最優先パケットは他のEthernetパケットに優先してWLANインターフェースで交換されます。

WP10タッチスクリーンでWEBVISIT表示  

HMIデバイスはウェブクライアントとしてWEBVISIT表示にアクセス

デバイスの状態と誤作動をウェブベースで表示

フエニックス・コンタクトのウェブベースWEBVISIT表示ソフトウェアでソリューションを監視します。このようにコントローラには組込みのウェブサーバが必要ですが、これは使用するInlineコントローラも同様です。

PLCのウェブサーバの表示にアクセスするために必要なのはIPアドレスだけです。操作および監視デバイスにデータが表示されます。Savalが開発した表示で圧力スイッチと液面スイッチの状態がわかり、制御システムへの電源供給の状態もわかります。

誤作動が発生するとアラームが表示されます。SavalはWP10タッチスクリーンでデータを表示します。

フエニックス・コンタクト株式会社

〒222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜1-7-9
友泉新横浜一丁目ビル6階