産業部門は特に、気候目標を達成するための適切なソリューションを探しています。気候変動の時代に、世界はエネルギーコストの上昇、乏しい資源、エネルギー需要の高まりに対処しています。この問題を解決する1つのアプローチは、工場においてAC送電網からDCグリッドに切り替えることです。再生可能な発電、バッテリーモジュール、エネルギー回収は、DCマイクログリッドに実装できる気候変動のキーワードです。これによりエネルギー消費を削減し、ピーク負荷を軽減(ピークシェービング)が実現します。その効果は給電ネットワークを軽減し安定させます。産業向けDCグリッドの設計は、持続可能な工業生産の未来のための1つのアプローチです。
産業におけるDCグリッド
今すぐに、より持続可能になるための先進的なDCテクノロジ 持続可能性は単なるはやり言葉ではありません。常に当社のミッションでした。
フエニックス・コンタクトの、再生可能エネルギーが効率的に保管され流通する世界への道のりを共に歩みましょう。これにより電気エネルギーをいつでもどこでも使用できるようになります。フエニックス・コンタクトがマイクログリッドのDCテクノロジの安全な使用のためのコンセプトとソリューションに注力しているのはそのためです。
持続可能性はDCテクノロジを適切に使用することから始まります。
直流-未来の産業エネルギーシステム? 発電から保管と供給へ
現代の世界では、ほとんどの末端機器は既に直流電流(DC)で駆動されています。産業環境の充電ステーションと電気ドライブは、どちらも交流電流から発電された直流電流で運転されています。そのため、DC-INDUSTRIEプロジェクトとDC-INDUSTRIE 2プロジェクトに取り込むさまざまな企業は、統合されたDCベースのスマートグリッドを研究しました。
これは再生可能エネルギー源で発電された直流電流を、グリッド内の機械やモータ、ベルトコンベアなどの負荷に、直接給電して、変換損失を削減するという発想です。
DCグリッド内のネットワーク化により、システムの制動エネルギーを電力としてグリッドに供給し戻すこともできます。製造された余剰分は、バッテリーモジュールシステムに収集され、必要な時にグリッドに戻されます。これにより、供給電力を最大80%削減することができます。さらに、公共グリッド内のピーク負荷と負荷を両方削減することができます。
DCグリッドの特長
- エネルギー回収、変換損失の削減、再生可能エネルギーの使用、またバッテリーモジュールを通してのエネルギー効率の向上
- 最大55%銅の消費削減、機器コスト削減、フットプリントの小型化による資源の最適化
- 給電ネットワークの故障による製造ダウンタイムの回避
- エネルギーフローのインテリジェントな制御の基礎
産業におけるDCグリッドの一覧
FAQ:DCテクノロジ
DCベースのマイクログリッドでは、電力はカーボンニュートラルな製造からの再生可能エネルギーを効率的に統合することで発電されます。このエネルギーは、DCからACへの変換を行うことなく、DCグリッド内の負荷によって直接使用されます。プロセスは変換損失を節約し、その結果エネルギー消費を削減することができます。さらに、つり上げプロセスの制動エネルギーをすべて使用することが可能です。熱として失われるはずだったエネルギーを、電気エネルギーとしてDCグリッドに供給し戻すことができます。バッテリーモジュールは過剰DC電力を後で使用できるように収集します。
持続可能な発電、エネルギー回収、バッテリーモジュールを組み合わせることにより、工場における持続可能性が向上し、エネルギー効率が向上します。
DCグリッドを使用することで、エネルギー消費の削減に加えて、材料とスペースも削減できる可能性があります。
DC-AC変換を排除することにより、エネルギー損失は、約6%~8%削減することができます。さらに、適切なバッテリーモジュールを使用することで、公共グリッドからの供給電力を最大80%削減することができます。制動エネルギーを完全に使用することによっても、アプリケーションに応じてさらに15~20%のエネルギー削減が可能です。これらの要因により、DCグリッド内のエネルギー効率はACグリッドと比較して大幅に向上します。
材料とスペースの節約の点でも、可能性は大きいです。DCグリッドでは、使用される銅と絶縁材質の最大40%を節約しながら、同じパフォーマンスを維持することができます。これは資源が十分ではない時期には重要です。またDC機器はAC機器より遙かに小型です。材料支出を削減することで、さらに省スペースを実現することもできます。
直流電流を交流電流に、あるいは交流電流を直流電流に変換することには、変換にもエネルギーが必要なため損失が伴います。これによりエネルギー消費が増加し、その結果エネルギー効率が低下します。さらに、DC-ACインバータが必要です。そのためアプリケーション内に対応するスペースが必要です。このスペースは変換しないことで節約することができます。
直流電流を直接負荷に給電することで、これまでのDC-AC-DC変換の代わりになります。純粋なDCグリッドは、ACグリッドと比較して、通常エネルギー消費量が6~8%少ないため、これによりエネルギー効率が向上します。制動エネルギーを使用し、直流電流を直ちに保管することで、さらなる節約が可能です。
DCアプリケーションでは、電気アークによって接点やケース部品が損傷することがあり、最悪の場合ユーザーにも危害が及びます。このような状況下では、コネクタ開発への新しいアプローチが必要です。研究プロジェクトで、フエニックス・コンタクトによりDCコネクタ用のさまざまなテクノロジが開発されました。コネクタの消火テクニックにより、オペレータを電気アークの危険から保護するための革新的なアプローチが発見されています。
DCグリッドへの信頼 フエニックス・コンタクトは産業におけるDCグリッドの使用に関するエキスパート・パートナーです
当社は、産業と研究からの39のパートナーの1社として、ZVEIのDC-INDUSTRIE 2研究プロジェクトにも参加しました。これはドイツ連邦経済・気候保護省(German Federal Ministry for Economic Affairs and Climate Action)が資金援助していました。必然的に、フエニックス・コンタクトは直接的な継承プロジェクトであるODCA(Open Direct Current Alliance)にも、創立メンバーおよび役員として関与しています。
工業生産において必要なエネルギー革命と、関連して再生可能エネルギーを最大限使用することに関しては、ワーキンググループは製造プラントに直流を効率的かつ安全で堅牢な方法で供給することを目標にしています。
フエニックス・コンタクトは国内外のタスクフォースに参加し、将来に備えた電気設備を中心に、産業用DCグリッドをファクトリーオートメーションで使用することに関して、徹底した研究を実施しています。
例えばフエニックス・コンタクトが取り組んでいる中心的のトピックの1つは、DCコネクタ分野のアーク放電の回避です。
理論から実践へ 製造拠点やビルのDCグリッド
フエニックス・コンタクトは、それでもさらに前進しています。研究のみでは十分ではないからです。電気設備のイノベーションをリードするエキスパートとして、最初のステップを踏み出し、存在感を示し、経験を積んで問題を解決したかったのです。
DCグリッド向けの前途有望なアプリケーション分野は、自動車製造分野です。ODCAの当社のパートナーの1社がパイロットシステムとしてDCグリッドを設置することを計画したとき、当社はDC対応コンポーネントで迅速にサポートすることができました。
ブロムベルク(Blomberg)の自社キャンパス内のBuilding 60にも、DCグリッドを設置しました。それによって、コンフィグレーションから最終設備まで、産業用DCグリッドの青写真を作成しました。当然、当社は自社製品を信頼し、プロジェクトの一環としてDC対応コンポーネントをさらに開発しています。そしてもちろん、設置したテクノロジとソリューションは、Empowering the All Electric Societyにかける熱意により、当社のお客様にもご利用いただけます。