急速充電ステーションのためのテクノロジ
ハイパワー充電は、フエニックス・コンタクトにより開発され、電気自動車用の急速充電ステーションに設置されています。このテクノロジを活用することで、長時間の充電は過去のものとなります。電気自動車のバッテリーをわずか3分~5分で100 kmの走行距離分を充電することができます。フエニックス・コンタクトのハイパワー充電テクノロジは、将来のE-Mobilityの節目となるもので、電気自動車用充電ステーションでの充電が日常の使用に適したものとなり、さらに発展します。サービスエリアで電気自動車を500 kWで充電するという考えがかなり一般的なものになります。
1つの冷却型充電コネクタで500,000ワット 急速充電は新しい局面を迎えています。
これまでの技術では、コンバインド充電システム(CCS)で可能なのは200 kWまでの充電電流でした。しかしながら、より短時間の充電を達成するためには、非常に大きな電流が必要になります。従来の充電テクノロジでは危険な過熱をもたらしたり、より大きくて扱いにくいケーブル径を必要とします。
そのため、フエニックス・コンタクトのインテリジェントなHPCテクノロジは、安全性や管理性を損なうことなく500 kWまでの充電電流を可能にするアクティブ水冷システムに基づいています。それにより、当社は急速充電テクノロジに大きな革命をもたらしています。
冷却型HPC充電コネクタの詳細 CHARX connect professionalのテクノロジと特長をご紹介
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Phoenix Contact E-Mobility 強力で信頼できるパートナー
当社は2013年の設立以来、フエニックス・コンタクトグループ内においてE-Mobility充電テクノロジを専門として活動してきました。全世界の従業員は1,000人を超え、33,200 m²を超える敷地面積に25の製造ラインを有し、ネットワーク化された充電インフラの開発と、あらゆるタイプの車両の電動化向けに、500を超える製品を提供しています。そのために、IATF(国際自動車産業特別委員会)認定の企業として、自動車産業の高い要件を満たします。
CCSがハイパワー充電対応に コンバインド充電システム(CCS)からハイパワー充電へのさらなる発展
ハイパワー充電テクノロジは、このテクノロジを促進するためフエニックス・コンタクトが自動車業界と共同で開発済みの、コンバインド充電システム(CCS)規格に基づいています。急速充電コネクタの開発における最大の課題の1つは、実用的な充電ケーブルのサイズと充電コネクタの重量にするために、どのように設計するかということでした。この問題を解決するには、インテリジェントで効率的な冷却システムと、慎重に検討されたケーブルしかありませんでした。
さらに、コネクタには銀めっきコンタクトと、優れた熱伝導性により、またヒートシンクとしても機能するコンタクトキャリアが装着されています。その結果、特に高いレベルの安定性と並はずれた冷却性能を同時に達成することができました。
冷却システムの仕組み 規格で要求されるもの
VDE-AR-E 2623-5-3指令およびIEC TS 62196-3-1規格に準拠して、充電コネクタおよび充電ケーブルは、充電プロセス中に周囲温度より50 K高い温度を超えてはなりません(ΔTmax = 50K)。
これに対応するために、HPCシステムに組み込まれた複数の温度センサを使用して、充電コネクタの電源用コンタクトおよび充電ケーブルで直接発生する熱をリアルタイムで測定します。
コントローラは取得したデータを評価し、それに応じて冷却出力を調整します。これにより、規格に準拠して過熱が確実に防止され、同時にエネルギー効率も向上します。
HPCシステムの概要 フエニックス・コンタクトのモジュール型HPCシステムは、次の複数の調整された部品で構成されています:
- 冷却型DC充電ケーブル(北米向けCCSタイプ1および欧州向けCCSタイプ2)
- 電源用、通信用、冷却用に定義されたインターフェースを備えたパネル貫通
- 利用可能なスペース向けの冷却ユニットまたは熱交換器
- DC充電プロセスおよび冷却用コントローラ
- 充電ステーションに直流を給電するシステムキャビネット内のDC電源モジュール
多くのアプリケーションに使用できるシステム フエニックス・コンタクトのハイパワー充電システムは柔軟に使用可能
ハイパワー充電は、電気自動車の運転者が急いでいる時にいつでも使用することができます。ハイパワー充電システムのモジュール式構造により、さまざまな充電インフラコンセプトで柔軟に使用することができます。
HPCシステム一式を、単一の独立した充電ステーションに設置することもできます。これはつまり、冷却システムとコントローラが充電ステーションに組み込まれることで充電コネクタと充電ケーブルと共に独立した冷却回路を作成することができるということになります。
しかし、当社のハイパワー充電システムは、複数の充電ステーションを組み合わせて配置する充電パークでの使用が一般的です。このような急速充電パークは、主に高速道路沿いや主要な交通の中心地にありますが、大都市や首都エリアにも見られます。
充電パークでは、冷却ユニットとそのコントローラは通常、中央に、例えば別の建物に収容されています。分散型充電ステーションにはそこから冷却液が供給され、個別の熱交換器を備えています。したがって、すべての充電ステーションが共通の冷却回路を使用しています。
研究プロジェクトにより電気自動車の急速充電が可能に フエニックス・コンタクトのハイパワー充電コネクタと制御技術
フエニックス・コンタクトは、BMW社、Porsche社、Siemens社、Allego社と共同で、FastCharge研究プロジェクトの一環として、世界初の充電パワー450 kWのハイパワー充電ステーションを製作して公表しました。
FastCharge研究プロジェクトは、BMWグループが管理する産業コンソーシアムとして運営されており、Allego GmbH社、Phoenix Contact E-Mobility GmbH、Dr. Ing. h. c. F. Porsche AG社、およびSiemens AG社で構成されています。 FastChargeは、ドイツ連邦交通デジタルインフラ省から、総額780万ユーロの投資による資金提供が行われています。資金調達ガイドラインは、国家機関の水素燃料電池技術(NOW GmbH社)によって実施されています。
フエニックス・コンタクトは、冷却型CCS対応ハイパワー充電用ケーブルと制御技術を提供しました。
ドイツのA8のイェッティンゲン=シェパッハ(Jettingen-Scheppach)サービスエリアの新しい急速充電ステーションは、グローバルなコンバインド充電システム(CCS)の欧州規格タイプ2バージョンが適合する全ブランドの電気自動車モデルに適しており、電気自動車の運転手に無料ですぐに提供しております。
ハイパワー充電テクノロジのイノベーター賞(Innovator Award) Wladimir Klitschko名誉教授より「イノベーター賞(Innovator Award)」が授与されます。
フエニックス・コンタクトがハイパワー充電テクノロジで「2019 Innovator of the Year」を受賞 Phoenix Contact E-MobilityのCEOであるMichael Heinemannが、デュッセルドルフ(Düsseldorf)でのセレモニーにおいて、ドイツ経済情報ポータル「Die Deutsche Wirtschaft(DDW)」から、Business Awardを受賞しました。「審査員に当社が選んでいただけたことを光栄に思います。加えてPeople’s Choice Awardの受賞は、本当に思いもよらないことでした。」
受賞した全20企業のうち、3社のみがPeople’s Choice Awardを受賞しました。この賞は読者からの投票により決定されたものでした。その賞はWladimir Klitschko名誉教授によって直接授与されました。授賞式の詳細や写真は、当社のLinkedInの記事でご覧いただけます。
駆動力としてのフエニックス・コンタクト E-Mobilityネットワークの創立メンバー
フエニックス・コンタクトは、製品や新しいテクノロジのみならず、E-Mobilityの規格を確立することにより、E-Mobilityと電気自動車の急速充電で市場をリードする企業としての立場を確立しています。フエニックス・コンタクトはドイツをリードする自動車業界の製造メーカーであり、TÜV Süd認証機関でもありますが、CharIN(Charging Interface Initiative)協会の創設メンバーでもあります。この協会は電気自動車の急速充電を促進・発展させるものです。CharINの目的は、コンバインド充電システム(CCS)を電気自動車の世界標準として確立することです。
最近設立されたドイツのNational Platform for The Future of Mobility(NPM)では、フエニックス・コンタクトのGeneral ManagerのRoland Bentが代表となっています。このプラットフォームでは、彼はワーキンググループ6(AG 6)の議長で、規制、標準化、認証、承認に取り組んでいます。これより前には前身組織であるNational Platform for Electric Mobility(NPE)の、ワーキンググループ4の副議長でした。この役割において、E-Mobilityに関する国際標準および規制を形成することに尽力しました。新しいNPMワーキンググループで、引き続きこの活動に従事し発展させていきます。
E-Mobilityの現在と未来 お客様や取引先企業様と共に新しい道を進んでいます
E-Mobilityはドイツ国内のみならず、世界的にもますます重要性が増しています。さらにE-Mobilityは、環境に優しく持続可能な将来のモビリティの形です。この目標を達成するためには、自動車業界と電気業界には多くの新しいアプローチや画期的なテクノロジが必要です。とりわけ、ドイツ連邦政府と業界の目標は、世界の市場をリードするというドイツの立場を確固たるものにし、モビリティの世界で起こりつつある大転換を積極的に促進してグローバルなベンチマークを作ることです。
当社の電気自動車充電ステーション向けのハイパワー充電テクノロジによって、バッテリー駆動の自動車を日常の使用に適したものにするということがまた一歩前進しました。電気自動車を急速充電できることにより、E-Mobilityの未来が形成されます。なぜなら、従来の自動車の給油と同じように実用的で急速になれば、消費者に恒久的に受け入れられるからです。電気自動車の充電ステーションは現在、ハイパワー充電テクノロジを備えた急速充電ステーションの建設など、EUとドイツ連邦政府が非常に力を入れています。
E-Mobilityと電気自動車用充電ステーションは、革新的なアイディアやテクノロジ、製品によって克服しなければならない多くの課題に今後取り組むことになるでしょう。フエニックス・コンタクトはドイツ連邦政府、自動車業界の代表者、充電インフラ運営者、その他のパートナーとともにこの道を進み、特にハイパワー充電とE-Mobilityの今後すべての開発を通して、E-Mobilityの未来を形成するために積極的に活動します。
フエニックス・コンタクトは、世界最大の電気自動車ラリーWAVE TROPHYに何度も参加して成功することにより、E-Mobilityが日常の使用に適していることを既に証明しています。