銅線通信用ケーブル配線 インフラ、ビルディング、産業用などさまざまな分野のアプリケーションにおいて、焦点となるのはプロセスオートメーションです。多数の機器が、常時ネットワークに統合されています。通信量と伝送速度の向上により、ケーブル配線はますます複雑さを増しています。銅線通信用ケーブル配線はこの分野において、何十年にもわたって有用性を実証してきました。

銅線通信用ケーブル配線

データレートや伝送速度の向上により、伝送テクノロジ、および伝送用ケーブルや接続されたコネクタに対し、これまで以上の難題が生まれています。必要なのは、将来性のある開発と製品です。これらがなければ、信頼性の高いデータ伝送を行うことはできません。家庭用アプリケーションの場合、発生する問題は通常許容可能なものです。しかしながら産業用アプリケーションにおける伝送エラーは、高額のコストに繋がりかねません。銅線ケーブルは、物理的特性および機械的特性が良好なため、データ伝送において信頼性の高い接続を確保することができます。

特長

  • 長年の経験に基づきコストを最適化したデータ伝送
  • データ盗難に対する信頼性の高い保護:ケーブルを通じたデータタッピングは行えません
  • RJ45、USB、HDMI、同軸、D-SUBコネクタなどの標準化インターフェースに加えて、M8およびM12形式の丸型コネクタにも対応
  • 単芯銅線による最適な電気特性
  • 開発および社内製造から得た高度な専門知識
隣同士で相互に広がるケーブル付きの銅線通信用コネクタ

アプリケーションにおける銅線

銅線を採用する理由 – 銅線ケーブルは装置に電力とデータを供給するための電流や電圧を伝送するため、さまざまなテクノロジを採用しています。銅は電気エネルギーの伝送に最適な特性を有しています。安価な電線にはアルミニウムなどの代替材料が使用される場合もありますが、アルミニウムでは導電率が約2/3になるなど、パフォーマンスはかなり低くなります。

市場には豊富な種類の銅線ケーブルが販売されているため、特殊プロトコルを使用するほぼすべての用途において、コネクタ付きの最適なケーブルを利用することができます。モニタをPCにVGA接続する際に使用するD-SUBコネクタはその一例です。一方産業界では、PROFINETプロトコルが広く使用されています。この場合、多くは2ペアまたは4ペアのツイストペアケーブルにおけるRJ45コネクタを通じて伝送が行われます。

すでにテクノロジの開発は極めて進んでいますが、市場ではさらなるイノベーションを駆使した製品も販売されています。一対の電線のみで実現するイーサネットプロトコル伝送方式であるシングルペアイーサネットは、その良い例です。この新しいテクノロジ用に、全く新しいケーブルとコネクタの設計が進行中であり、今後標準化される予定です。これによって、インターフェースの標準化が促進されます。

RJ45、シングルペアイーサネット(SPE)、M8形式の銅線通信用ケーブル

銅線通信用ケーブルはどのように構成されていますか。

一般に、銅線通信用ケーブルは2種類に区別されます。

  • __同軸ケーブル__では、ケーブル内で1本の電線が中央に配線されています。

  • 撚線__では、1本のケーブル内で数本の電線が撚り合わされて配線されています。多くの4極ケーブルで見られるように、中心のフィラーエレメントの周りで撚り合わされているか、多くの8極ケーブルで見られるように、一対の電線が一緒に撚り合わされ、この電線ペアが再び撚り合わされているかのどちらかです。後者は__ツイストペア(TP)と呼ばれます。

また、例えばデータと電力のハイブリッド伝送をサポートするケーブルのような、これらの基本構成を組み合わせた他の構成もあります。

同軸銅線ケーブルの構造

同軸Lケーブルの内部構造
同軸Lケーブルの内部構造
同軸Lケーブルの内部構造
同軸Lケーブルの内部構造

同軸ケーブルの__ケーブルシース__は、外部要因から内部部品を保護します。機械的特性および熱的特性と抵抗レベルの向上のため、このシースは通常添加剤と混合されたプラスチック材料でできています。したがって、例えばケーブルを屋外用に適したタイプにして湿度や日光への耐性を確保することもできます。

__内部電線__は単線でも、細線の集合体でも構いません。どちらの場合も、ケーブルは可撓ケーブルと呼ばれます。

多くの可撓同軸ケーブルは目の細かい金属製リッツ線でできた__シールド__を備えています。シールド特性を向上させるため、金属製または金属被覆プラスチックホイル製のシールドを追加で使用することもできます。反対に、単線の外部電線付きのケーブルもあります。これらのリジッドケーブルは、セミリジッドケーブルと呼ばれます。

__誘電材料__は、内部電線と外部電線を絶縁する材料です。この材料は充実プラスチック、プラスチックディスク、または多くの場合のようにポリエチレンなどの発泡プラスチックで構成される場合があります。

同軸Lケーブルの内部構造

__伝送__に関する重要なパラメータは、伝送媒体による信号の減衰です。減衰は伝送周波数によって異なるため、さまざまな周波数を設定しています。例えば、WLAN用では 2.4 GHzまたは5.8 GHzが一般的な周波数です。広く利用されているのは、インピーダンスが50 Ωまたは75 Ωのケーブルです。ケーブルやその他のコンポーネントは、同じインピーダンスのものでなければ一緒には使用できません。異なるインピーダンスの製品を混用すると、伝送不良を引き起こす可能性があります。これは、不要な反射の原因となります。

同軸Lケーブルの内部構造

同軸ケーブルの代表的な__アプリケーション__は、LTE、WLAN、5G、キャンパス内のネットワークなどにおいて送信機と受信機をアンテナに接続することです。

ツイストペア銅線ケーブルの構造

8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル
8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル
8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル
8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル
8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル
8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル

銅線通信用ケーブルには外部要因から内部部品を保護するための__外被__が付いています。このシースは通常、ポリウレタン(PUR)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PVC)などのプラスチック材料でできています。 機械的特性、熱的特性および抵抗レベルの向上のため、これらの材料には通常添加剤が混合されています。

8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル

ケーブルシースの下では、銅線通信用ケーブルは外部要因から保護するための電気シールドが付いています。__2種類の異なるシールドコンセプト__が一般的に使用されています:編組シールドは、細かいメッシュのリッツワイヤー(スクリーン = S)と、金属製または金属被覆プラスチック製のシールドホイル(ホイル = F)で構成されます。したがってケーブル全体のシールドは、S、FまたはSFと表されます。

8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル

ケーブル全体だけではなく個々の電線ペアも、シールドホイル(ホイル付きツイストペア = FTP)の付いた独自のシールドにより、その他の電線ペアからシールドすることができます。

8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル

ツイストペアケーブルでは、2本の電線が一緒に撚り合わされ、この電線ペアが再び撚り合わされています。

8極、4線ペア付きSF/FPTツイストペアケーブル

銅線通信用ケーブルの個々のワイヤは、プラスチック絶縁材と銅芯で構成されています。構成は用途によって異なります。__インスタレーション用ケーブル__では、固体銅芯を採用しています。__可撓ケーブル__では、芯はリッツ線7本、高可撓ケーブルの場合はリッツ線19本で構成されます。米国ワイヤゲージ(AWG)は単線の断面を指定するために使用する計測単位です。AWG 22は4極ケーブル、AWG 26は8極ケーブルとして非常に一般的です。

高圧テストにおけるさまざまな計測ユニット付きの銅線ケーブル

銅線ケーブルのパフォーマンスとは。

銅線通信用ケーブルのケーブル単体としてのパフォーマンスは、伝送カテゴリに示しています。カテゴリとテスト方法の相違について説明するため、ここでイーサネットプロトコルについて触れておきます。

ケーブル単体はそれぞれの規格で定義されています。これらの規格ではテスト方法、およびテスト対象のパラメータについての電気限度値も指定されています。テスト対象のパラメータの一例は、反射減衰量です。この値は、送信機の端部においてケーブルにより反射された信号を計測します。しかしながら、計測しているのがケーブル単体か、コネクタ一体型のケーブル(パッチケーブル計測 – 恒久リンクテスト – ISO 11801)か、伝送路全体(チャネルテスト--ISO 11801)かによって観察が必要な限度値は大きく異なります。

銅線と計測セットアップを行うテストエンジニア

ここで、組立済みケーブルは伝送路の一部を代表しているにすぎないため、厳密な規制値に適合しなければなりません。したがって、伝送路の限度値はそれほど厳密ではなく、老朽化などの影響により弱体化した部品を補償することができます。計測ユニットによる影響を最小限に抑えるため、チャネル計測中は最初と最後のコネクタが隠れています。伝送路のチャネルテストによりパッチケーブルの計測を行う場合、ケーブルの2つのコネクタが隠れているため、この計測からは有益な値が得られません。

使用する計測方法は、パッチケーブルの伝送特性やデータシートを確認すれば決定できます。チャネルテストを行うケーブルは伝送クラスにより、パーマネントリンクテストを行うケーブルは伝送カテゴリにより指定しなければなりません。残念ながら、ケーブルをテストしてもこの情報は確認できないため、正しいケーブルを選択する際は注意を払ってください。

最後に、フエニックス・コンタクトで行っている同じ方法でRJ45パッチケーブルの承認を得ることに焦点を当てる必要があります。

  1. 100 mのケーブル単体テスト、そして
  2. RJ45コネクタ2個による2 mのパッチケーブル*の組立
  3. パーマネントリンクの(チャネルリンクではない)パッチケーブルテスト、そして
  4. すべてのテストが無事に完了した場合にのみ、コネクタとケーブルの組合せを承認
  • フエニックス・コンタクトの経験では、2 mという長さは現行規格に従ったパッチケーブルで最も重要な値を表しています。
両端にRJ45が組みつけられている銅線通信用コネクタ

現場ケーブル配線用の銅線ソリューション

機械に直接使用しても、建物内でも、屋外でも、この接続ソリューションはあらゆる環境に最適な選択肢です。ご使用のアプリケーションにおいて、これらの製品の特徴を活かすことができます。

• 最大伝送速度10 Gbps
• 革新的なハイブリッドケーブル配線
• IP20~IP69Kのソリューション
• スプリング式接続、ピアス式接続、IDC式接続
• 360°のシールドコンセプト

ネットワークとフィールドバス接続用の銅線通信用コネクタ

機器接続用の銅線ソリューション

お使いの機器に、高性能コネクタと現場組立式ケーブルを利用しましょう。将来性のある最大10 Gbpsの高速ケーブル配線にも、革新的なハイブリッドケーブル配線にも:プリント基板用SPE、RJ45、HDMI、USB、同軸コネクタからM12パネル貫通、D-SUBコネクタまで、フエニックス・コンタクトはさまざまなピンコネクタパターンを採用した包括的な製品ラインアップを取り揃え、各種の伝送特性に対応します。

• 最大伝送速度10 Gbps
• 革新的なハイブリッドケーブル配線
• IP20~IP69Kのソリューション
• スプリング式接続、ピアス式接続、IDC式接続
• 360°のシールドコンセプト

これらの産業に最適

銅線は計測、通信、オートメーション・テクノロジ、データ処理、および工作機械やシステム製造用のコントローラにも使用されています。また、サーバとスイッチ、およびデスクトップとスイッチの接続にも使用されます。

こうしたアプリケーション分野に最適です

製品製造における協働ロボットとその後ろにいる人
基板対基板コネクタを備えた周波数変換器の内面図
制御盤に使用される通信用コネクタ
産業用製造ラインにおいてiPadとロボットを手にしたフエニックス・コンタクトの従業員
近代的な建物内でタブレットを持っているエンジニア
マストへの監視カメラの設置
製品製造における協働ロボットとその後ろにいる人

特殊なシールドコンセプトとねじれ耐性、最適に調整された部品は、ロボットや搬送システムの信頼性の高い動作に欠かせません。複雑なオートメーションプロセスには、多くのエリアで通信が必要です。エラーフリーなデータ伝送を行いたい場合は、さまざまな伝送規格に従って認定されている銅線製品シリーズを活用することができます。これにはEthernet APL、PROFINET、Ethernet CAT5、EtherCAT Pなどがあります。

機器接続の詳細
基板対基板コネクタを備えた周波数変換器の内面図

銅線ケーブルは基板対基板コネクタとも共に使用されます。これらのコネクタは、限られたスペースで機器内の信号・データ伝送のためのシールド付きおよびシールドなしのソリューションを提供します。さまざまなアプリケーション指向のデザイン、スタッキング高さ、極数で、独自のプリント基板の接続方向を実現することができます。

基板対基板コネクタの詳細
制御盤に使用される通信用コネクタ

制御盤では、銅線コンポーネントはご使用のデータ伝送システムに適した、イーサネットやPROFINETアプリケーション用のケーブル配線ソリューションを提供します。

通信用コネクタの詳細
産業用製造ラインにおいてiPadとロボットを手にしたフエニックス・コンタクトの従業員

信頼性の高い接続ソリューションおよび最大10 Gbps(CAT6A)の一貫したデータ伝送:RJ45、USB、HDMIのパッチケーブルや、特殊な工具を必要としないRJ45組立式コネクタは、産業用ケーブル配線の特殊な要件向けに最適です。ロボットや搬送システムが信頼性の高い動作を行えるかどうかは、特殊なシールドコンセプトとねじれ耐性のある銅製コンポーネントによって決まります。

産業用IP20およびIP6Xケーブル配線の詳細
近代的な建物内でタブレットを持っているエンジニア

スマートビルディングでは、さまざまなアプリケーションを分散してネットワーク化しています。スマートビルディングの実現のためには、標準化された機器接続が必要となります。これにより、個々のビルシステムやそのアプリケーションが相互にスムーズに通信できるようになります。コネクタおよびパッチケーブルは、このための基礎となります。

ビルディングオートメーションの機器接続の詳細
マストへの監視カメラの設置

例えばテレコミュニケーションや再生可能エネルギーの分野では、屋外でのデータ伝送に使用されるコンポーネントに厳しい要件が課されます。 屋外用の特殊コネクタは、極端な温度変化、湿度、UV光線、振動などの過酷な環境条件にも耐えることができます。

通信用コネクタに関するEペーパー
銅線通信用コネクタ一覧表示

当社の銅線製品ラインアップの閲覧をご希望ですか。– 通信用コネクタのEペーパーで、最適な接続製品の概要をご説明します。

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