シングルペアイーサネット(SPE)

シングルペアイーサネット(SPE) センサからクラウドへの一貫した機器の通信

SPEにより、単独のワイヤペア経由のイーサネット伝送が可能になり、コスト効率に優れ省スペースなセンサ接続を確保します。フィールドレベルまでの一貫したIPベース通信が可能になります。データ伝送に加えて、SPEイーサネットテクノロジにより、Power over Data Line(PoDL)で末端機器を同時に給電できます。

SPEは均一なネットワークインフラの要件を満たし、これはインダストリー4.0と産業向けIoT(IIoT)の基礎です。

SPEとは一体何でしょうか。

従来のイーサネットは、オートメーションピラミッドにおけるすべての上位レベルを既に接続していますが、多くの場合、最下位のフィールドレベルの接続には適していません。設置が複雑過ぎたり、最大距離が不十分な場合が多いのです。この点において、SPEテクノロジが従来のイーサネットのパフォーマンスプロファイルを決定的に拡張します。

SPEは物理層のもう一つの形態です。Fast Ethernet(100 Mbps)には2組のダブルワイヤ、ギガビットイーサネットには4組のダブルワイヤが必要でしたが、SPEなら1組のみのワイヤペア(シングルペア)でデータ伝送が可能です。これにより、コンパクトな機器、センサ、アクチュエータをフィールドレベルから直接接続する新しい機会が生まれます。これを実現するために、追加のサブシステムやゲートウェイは不要になります。そのためSPEは、現在および未来の多くのアプリケーション向けの、軽量で省資源のイーサネット強化であると言えます。

IPベース通信中のタブレットを持つ人

フィールドレベルからクラウドまでの一貫したIPベースの通信

イーサネットベースの通信による、将来に備えたネットワークインフラ

既存のソリューションと直接比較すると、TCP/IPおよびTime-Sensitive Networking(TSN)を備えたイーサネットにより、遙かに高いデータ伝送速度でリアルタイム対応のデータ伝送が可能です。シングルペアイーサネット(SPE)により、フィールドレベルのデータも可能です。最新の伝送テクノロジにより、スペース効率とコスト効率の優れたセンサからクラウドまでのイーサネット通信を確保することができます。幅広いアプリケーションでの大規模SPEの使用は、伝送プロトコル向けに定義された規格、ケーブル配線、機器部品の汎用互換性により可能になります。

単一のダブルワイヤ経由のデータ伝送により、既存の2線式ケーブルインフラを継続して使用することができます(ケーブル共有)。特に、これにより必要なケーブル配線の量を削減しながら材料使用を大幅に削減でき、簡単な統合が確保されます。このテクノロジは、最大1000 メートルの範囲のアプリケーションで、最大10 Gbpsの高データ伝送速度、最大50 Wの電力に使用することができます。SPEネットワークはスターまたはライントポロジでセットアップ可能です。このテクノロジは将来に備えたネットワークインフラの要件を満たします。

SPEテクノロジの機能

SPE規格

イーサネットインターフェースからケーブル配線やデータ伝送まで、SPEテクノロジに関するあらゆるものはさまざまな規格と規範で規制されています。SPE規格はIEEE 802.3で定義されています。この規格は、1つのワイヤペアを経由するイーサネットベースのデータ伝送に関する技術的枠組みを記述しています。違いは伝送速度と距離です。IEC 63171は、これらのSPE規格に対する互換性のあるコネクタを記述しています。

フエニックス・コンタクトはIEC 63171-2準拠のIP20コネクタ、IEC 63171-5準拠のM8およびM12仕様のIP67コネクタを提供しています。さらに、IEC 63171-7準拠のSPE M12ハイブリッドコネクタも現在開発中です。SPEケーブルはIEC 61156-1x規格で定義されています。また、要件を満たせば、既存のケーブルインフラを利用することも可能です。

SPE規格

伝送経路

SPEは自動車産業が起源です。目標は、できるだけ少ないケーブル配線で高性能を実現する、効率的で均一なインフラを実現することです。他の産業のアプリケーションにも同様の要件が該当します。しかし、多くのアプリケーションでは、従来のイーサネットの最大接続長である100 メートルでは全く足りません。IEEE 802.3cgに準拠のSPE規格10BASE-T1Lは、かなり長い伝送距離にも対応します。この規格では、単独のワイヤペアによるデータケーブル配線と、最大1000 メートルの伝送距離を定義しています。

伝送距離1000 メートルで、伝送速度は最大10 Mbps、または伝送距離40 メートルで1 Gbpsに達します。この伝送速度は、フィールドレベルの最新式のセンサ部品にも十分です。つまり、SPEインターフェースを産業アプリケーションに汎用的に使用できるということです。

PoDL – Power over Data Line

Power over Data Line(PoDL)により、センサとフィールドデバイスは同時に給電されます

PoDL – Power over Data Line

イーサネット経由のデータ伝送に加えて、SPEテクノロジにより、末端機器を同時に給電することができます。Power over Data Line(PoDL)により、最大50 Wの有効出力を伝送することができます。

IEEE 802.3bu規格およびIEEE 802.3cg規格には、さまざまな性能クラスが記載されています。このテクノロジにより、データ伝送に使用されるケーブルで、最長1,000メートル離れたセンサまたはアクチュエータに給電することができます。これによりフィールドケーブル配線の設置作業とスペース要件を最小限に抑えられます。

PoDL性能クラス

PoDL性能クラスの概要付きの表
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シングルペアイーサネット(SPE)用評価キットの発売を開始しました
IEEE 802.3cg規格に準拠するイーサネットベースのマルチドロップアプリケーションを実現しましょう。テストボードはUSBインターフェース1ポート、SPEインターフェース2ポートを搭載しています。10BASE-T1S規格で定義されたバストポロジに対応しています。通信は、最大10 Mbpsのデータ伝送速度で最大50台の機器との間で行われます(距離25 m)。これに関する詳細は当社にご遠慮なくお問い合わせください。
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SPE用評価キット

シングルペアイーサネット(SPE) アプリケーション SPEはインダストリー4.0、ビル、工場、プロセスのオートメーションにおけるさまざまなアプリケーションに理想的です。SPEテクノロジは、どんな環境で使用されている既存のインフラにも、簡単に統合することができます。省資源、小型化されていく機器のトレンドに関して、SPEは省スペースケーブルで、電子機器により多くのスペースを提供します。

自動車産業
製造業で画面の前にいる人
プロセス産業
ビルディングオートメーションのあるビルの外観
自動車産業

この省スペーステクノロジは、自動車産業のアプリケーションに完璧です。わずか1つのツイストワイヤペアで、10 Mbps~1 Gbpsの伝送速度と最大ケーブル長15 メートル(シールドなし)または40 メートル(シールド付き)で、自動車ケーブルハーネスに使用するのに理想的に設計されています。さらに、最大10 Gbpsやさらに高い伝送速度を可能にすると期待される、多数の新しいSPE規格も開発中です。そのため新世代の自動車では、SPEがCAN、MOST、FlexRayその他のバスシステムに取って代わることになります。セーフティ機能、制御、通信はイーサネット経由で均一に実行されます。これはコネクテッドドライブや自動運転には必須の前提条件です。

製造業で画面の前にいる人

すべての製造分野において、センサの統合は重要な役割を果たします。SPEは、センサ、アクチュエータ、フィールドデバイスを、既存のイーサネット環境に確実に統合します。つまり、必要なデータとプロセスの情報を、直接制御レベルまたはクラウドに伝送して解析することができます。フィールドバスプロトコルとは異なり、イーサネットはオートメーションのあらゆるレベルで使用することができます。追加のゲートウェイやインターフェースは必要ありません。単独のワイヤペアに削減することで、センサを機械またはシステムに直接設置する際のケーブル配線もシンプルになります。システムの構築、運用、メンテナンスは、より効率的でコスト効率の優れたものになります。

プロセス産業

Ethernet APLにより、プロセスアプリケーションの防爆エリアにあるフィールドデバイスやセンサを、2線式のイーサネットで直接接続可能になります。Advanced Physical Layer(APL)は、IEEE802.3cgの10BASE-T1-L規格とIEC TS 60079-47、2021-03(2-WISE)規格(2-WISE=2線式本質安全イーサネット)を使用し、本質安全を含む防爆仕様に対応しています。防爆エリアでの使用や、10 Mbpsで最長1,000 mの長距離のブリッジも可能です。新しい通信インフラにより、プロセス産業におけるイーサネットの一貫した使用が確保されます。

Ethernet APLの詳細
ビルディングオートメーションのあるビルの外観

ネットワーク化された建物は、高効率、セキュリティ向上、その他の便利機能を確保します。エンドツーエンドのIPプロトコルを使用することで、例えばセンサやスイッチ、サーモスタットを、ローカルデータネットワークとクラウド経由でビル管理システムに接続できます。一貫したSPEケーブル配線が、既存のフィールドバスや複雑なインターフェース、ゲートウェイに取って代わります。  ネットワークケーブルなど、既存の2線式ケーブルインフラを再利用することも可能です。  これにより、設置と試運転の両方が、大幅に簡素化します。

ビルディングオートメーションの詳細をご覧ください

当社の製品

M8、M12、M12 Hybrid、IP 20 SPEコネクタ

SPEコネクタ

SPE向けONEPAIRシリーズのコンパクトな機器とケーブルコネクタは、ファクトリーオートメーションやプロセスオートメーション、ビルのケーブル配線における効率的なデータ伝送に理想的です。

M8およびM12仕様のIEC 63171-5準拠のピンコネクタパターンは、過酷なフィールド環境下でも産業アプリケーションにおいて確立されてきました。IEC 63171-2準拠のIP20ピンコネクタパターンは、ビルのケーブル配線を先導しています。このピンコネクタパターンは、全規格シリーズの中で最もコンパクトで、従来のRJ45インターフェースと比較して実装密度を2倍にすることができます。省配線化はフィールドからクラウドへのこれからのイーサネット通信の基礎となります。

SPE用プリント基板用端子台は、特にインダストリー4.0およびIIoTに適しています。

SPEプリント基板用端子台

SPEは、インダストリー4.0とIIoTアプリケーション用の高性能なテクノロジを表します。COMBICONシリーズのプリント基板用端子台は、その明確な色分けや直感的に分かる操作により、ここで真価を発揮します。

マネージドSPEスイッチ

マネージドSPEスイッチ

マネージドSPEスイッチにより、SPEインターフェースを備えた最新のセンサとフィールドデバイスを、初めてイーサネットネットワークに直接接続できるようになりました。これにより、フィールドレベルからのセンサデータをクラウドとインターネットに統合するインテリジェントなSPEソリューションの基礎が提供されます。

SPE規格10 BASE-T1Lにより、最長1,000メートルの長距離をマネージドスイッチでサポートすることができます。センサもまたPower over Data Line(PoDL)により、最適な給電を受けます。

フエニックス・コンタクトのSPEコンサルティングチーム:Tim Kindermann、Verena Neuhaus、Guadalupe Chalas

SPE用コンサルティングチームが提供するソリューション

フエニックス・コンタクトには、さまざまな産業や分野でSPEを使用するための専門知識と製品シリーズがあります。  デジタル化における重要テクノロジであるSPEのエキスパート、Verena Neuhaus、Guadalupe Chalas、Tim Kindermannが、お客様と共にSPE向けのカスタム仕様ソリューションを開発する様子をご覧ください。

スマートネットワーキングのための心強いパートナー

フエニックス・コンタクト は、SPE統合のための主要なパートナーです。機器のインターフェースやケーブル配線、アクティブなネットワーク部品など、フィールドのセンサからオフィスのPCまで。フエニックス・コンタクト は、デジタル化分野におけるパイオニアとして幅広い製品ラインアップを開発しています。

SPE System Allianceのロゴ、主要なテクノロジ企業の連合

SPE System Alliance

フエニックス・コンタクトはSPE System Allianceで主要なテクノロジ企業と協力してきました。パートナー企業はSPEの専門知識を合わせ、ターゲット志向の情報交換を確保し、産業向けIoT(IIoT)およびその他すべての応用分野向けのSPEテクノロジを促進するという共通の目標を追求しています。

SPEに関する質問と回答

SPE用M8およびIP20コネクタ
SPEによるファクトリーオートメーションのトポロジ
SPE規格と特徴
組込みシステムで使用されるシングルペアイーサネット(SPE)
SPE向けのケーブルインフラ
SPE用M8およびIP20コネクタ

現在すでに利用可能なイーサネットテクノロジでは、アプリケーションに1ペアのワイヤのみで、伝送速度は最大10 Gbpsです。

SPEによるファクトリーオートメーションのトポロジ

SPEインフラを使用すると、データケーブル配線を削減して、フィールドからクラウドまでのメディアの故障や、機器故障を回避できます。一貫したイーサネットベースの構造を持つネットワークを確立できるため、ゲートウェイは不要になります。さらに、SPEによるケーブル配線は、接続するワイヤが2本だけなので、簡単で時間もかかりません。10Base-T1L規格により、最長1000 mのイーサネットケーブル配線が可能になります。

SPE規格と特徴

SPE規格はIEEE 802.3で定義されています。現在、伝送速度と距離がそれぞれ異なる5種類の規格がありますが、これらは全て満たしています。また、更なる規格について議論されています。

組込みシステムで使用されるシングルペアイーサネット(SPE)

はい、最大50 WをPoDL(Power over Data Line)規格で伝送することができます。IEEE 802.3bu規格およびIEEE 802.3cg規格には、さまざまな性能クラスが記載されています。

SPE向けのケーブルインフラ

既存のケーブルインフラが要件を満たしていれば、SPE用に使用できる場合があります。SPEケーブルはIEC 61156-1x規格で定義されています。

その他の新しい通信技術 フィールドまで一貫性のある通信

OPC UA、TSN、SPE、5Gなどの新しい通信規格が、さまざまな委員会や標準化プロジェクトで現在作成されています。しかしこれらの新しいテクノロジは、それぞれ独立したものとして考えるのではなく、むしろ共に将来の通信を形成していくものです。
工業用通信テクノロジの分野で30年を超える経験を持つテクノロジ大手のフエニックス・コンタクトは、すべての主要な標準化委員会に積極的に参加しています。  これらの委員会で、当社は自動化のための異なるメーカー共通の新しい通信規格の形成を支援しています。

新しい規格の詳細を当社ウェブページでご確認ください。