すみずみまでイーサネット通信を可能にする 「シングルペアイーサネット(SPE)」対応スイッチングハブ発売~1km先までのイーサネット延長と給電~
2023-11-27
フエニックス・コンタクト株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表:青木良行)は、1kmまでの距離においてイーサネット通信と給電が可能な「シングルペアイーサネット対応スイッチングハブFL SWITCH 2303-8SP1(以下本製品)」(*1)を2023年12月4日(月)より日本国内で正式発売します。
また本製品を、11月29日より東京ビッグサイトにて開催される「国際ロボット展2023」に初展示いたします。
本製品を介して、シングルペアイーサネット(以下SPE)ポートに接続した対応機器と、SPEを含む他のイーサネットポートに接続した機器間でのイーサネット通信が可能になります。さらにPoDL(Power Over Data Line)機能により、SPE機器への給電も可能となります。1km先に配置したSPE対応のインテリジェントセンサのデータを、中間処理用のサブシステムやゲートウェイなしに直接Web画面表示できるなど、システムの簡略化と情報活用を促進します。
■主な特長
- 1kmまでのイーサネット通信:本製品は、IEEE 802.3cg規格の10BASE-T1Lに対応しています。従来のイーサネットの制約100mを超えて、シングルペアイーサネット(SPE)ケーブルにて1kmまでの10Mbpsイーサネット通信が可能になります。
- 1km先への給電(PoDL)で電源フリー:センサなど動作電力を必要とするPoDL機器に、シングルペアイーサネット(SPE)ケーブルで電力も供給できます(IEEE 802.3cg Power Class 10/11)。センサ用の別電源やバッテリ動作を不要にし、構成や手順の簡略化が可能になります。
- アナログ伝送/シリアル通信の置き換え:長距離の伝送が可能なアナログ伝送/シリアル通信は、現在でも小データ量、高速応答不要等の理由で計測機器との接続に使用されていますが、イーサネット上でのデータ集約のためにはゲートウェイやサブシステムの設置、開発が必要です。SPE対応計測機器は本製品を介して直接データ解析用ホストとTCP/IPなどのイーサネット通信で多くのデータ交換が可能であり、余分な機器の設置や開発も不要となります。
- RJ45ポート:本製品には8つのSPEポートに加えて10/100/1000Mbpsの通信が可能なRJ45ポートも3ポートあり、接続されたイーサネット機器はSPEポートに接続された機器とイーサネット通信が可能です。
- SPE専用機能:SPEポートでは、SQI(Signal Quality Indication)機能によりSPEポートの通信品質を判定できます。またPoDLの有効無効設定や給電の状態を確認できます。
- マネージド機能:RSTP/MRPによる冗長通信機能、VLANによる仮想ネットワーク機能、ポートセキュリティ機能、QoS機能、SNMPによる診断機能、Web画面による設定/診断などFL SWITCH 2000シリーズと共通のマネージドスイッチの設定診断機能が使用できます。
*1)シングルペアイーサネット(SPE)とは :一組のツイストペア線だけでイーサネット通信を可能にする技術です。長距離から超高速までイーサネットの使用範囲を大きく拡大する規格化が進行中です。
■主な仕様
- サイズ:W45xH130xD119 (mm)
- 動作温度範囲:-40~70℃
- 通信ポート(Ethernet-RJ45):3ポート 10/100/1000 Mbps (オートネゴシエーション)
- 通信ポート(Ethernet-SPE):8ポート 10 Mbps (10base-T1L)
- PoDL:IEEE 802.3cg Class 10/11 (約1.8W / 4.8W 給電)
- マネージドスイッチ機能:RSTP/MRP/リングアグリゲーション、VLAN, ポートセキュリティ、QoS、マルチキャストフィルタ、DHCP、SNMP、Web管理、CLI、LLDP他
- SPEポート最大延長距離:1km
- 電源ポート:DC24V (20~32V)
- 認証、準拠規格:CE、UL(V/C 01以降)
フエニックス・コンタクトは、お客様のニーズを先取りする革新的な製品・ソリューションにより、持続可能な社会づくりに貢献し、カーボンニュートラルな電力が中心的エネルギー源となる社会「All Electric Society」を推進してまいります。
報道関係者お問い合わせ先
フエニックス・コンタクト株式会社
|
ニュースお問い合わせ窓口
jp-info@phoenixcontact.co.jp