テクノロジとモータースポーツへの情熱を持って OWLレーシングチームは、フエニックス・コンタクトの堅牢なコネクタに頼っています。
簡単な概要
技術革新で知られるドイツの1地域、東ウェストファリア(East Westphalia)の中心で、TH OWL University of Applied Sciencesの学生チームが、学生フォーミュラに参加するために新しい電気レーシングカーの開発に取り組んでいます。フエニックス・コンタクトの堅牢なコネクタが、初めてバッテリー内で使用されています。
Till Söffgenは、フエニックス・コンタクトに勤務し、レムゴーにある応用科学大学(University of Applied Sciences)のレーシングチームに参加しています
レーストラックでは信頼性が重要
ドイツのレムゴー(Lemgo)のオストヴェストファーレン・リッペ応用科学大学(TH OWL University of Applied Sciences)でのワークショップでは、レーシングに対する技術的専門知識と情熱の目を見張るような組合せがあります。OWLレーシングチームの35名の学生は、新しいデザインのOWL 2.4電気レーシングカーに取り組んでおり、チームはこれを使って今年の学生フォームらに参加したいと考えています。
この世界的な構造設計コンペでは、学生は指定された一連のルールに従って、電気レーシングカーを独立して開発し、構築します。今年パワートレーンサブチームのリーダーを務めるTill Söffgenにとって、重要なのは結果だけではなく、自動車の継続的な向上です。「私たちはかなり小規模なチームで、数名の学生と一緒にレーシングカーを設計して構築するだけではなく、走行できる状態を保ちメンテナンスする必要もあります。そのため、開発では堅牢で信頼性の高いコンポーネントを使用することが非常に重要です」
押し付けるだけで固定:バッテリコネクタはレーストラックで使用するのにも理想的
バッテリー用の新しい接続テクノロジ
電気レーシングカーのバッテリーは、容量6.4 kWh、重量約70 kgで、開発の中でも最も複雑なコンポーネントの1つです。6つのバッテリーセグメントで構成され、合わせて合計電圧600 Vを供給します。前年のモデルと比較して顕著な変更は、バッテリーのコネクタシステムに関するものです。
デザインチームは初めて、デザインにフエニックス・コンタクトのバッテリーポールコネクタを取り入れました。Till Söffgenがその決定について説明します。「80 kWという出力制限があるので約133 Aです。多数の挿抜回数でもプラグ着脱可能な高性能なコネクタが必要です。」 コネクタは組立済みの状態で供給され、簡単に設置することができます。バッテリーに対して作業するときは高電圧グローブを着用する必要がありますが、コネクタはそれでも簡単に操作することができます。「総合的に、私たちにとって理想的なシステムです。」とSöffgenが総括します。
製造と操作が簡単なことに加えて、OWLのレーシングチームは特に安全面を重視しています。「規制では安全性に関して特定の仕様が記述されていますが、フエニックス・コンタクトのバッテリーポールコネクタを使用すれば簡単に満たすことができます。」と、Söffgenが明言します。感電防止バッテリーポールと機械的コーディングにより、バッテリーポール接続の際に必要なレベルの安全性を確保します。接続時に音声フィードバックがあり、安全で耐久性のある接続ができたことを確認できます。「トラック上では、コネクタはとても大きな振動にさらされます。そのため、過酷な条件下でも接続が確保されることが重要です。」
プリント基板用コネクタには、特に使いやすさの点でメリットがあります
安全な監視
バッテリーコネクタに加えて、バッテリーはフエニックス・コンタクトの通信用コネクタも使用し、それによりバッテリーセグメントの安全な監視を確保します。電気自動車の最悪のシナリオは良く知られています。それはバッテリーが過熱して車全体が燃えることです。これを予防するため、OWLレーシングチームはバッテリーセルの電圧と温度の常時監視に頼っています。
1つのバッテリーセグメントは432個のリチウム丸形セルで構成されます。測定電子機器を備えたプリント基板がこれらのセルを監視します。測定値は同じ方法で取得され、基板対基板コネクタを経由して内部的に監視用ICを備えたプリント基板に伝送されます。「基板対基板コネクタに関しては、フエニックス・コンタクトのFQ 2,54の表面実装対応バージョンを選びました。私たちにとって、コネクタの信頼性が高く堅牢であることが重要でした。上側のプリント基板用の独立したブラケットフレームの代わりでもあるからです」とSöffgenが言います。
電圧監視ICは、値を測定してCANバス経由でメインプリント基板に伝送します。「バッテリー全体で、CANバスと1つの電源電圧を1度引き出します。」 チームはこのためにPTSMプリント基板用コネクタを使用しています。「私たちにとって、PTSMコネクタには主なメリットが3つあります。コンパクトでSMT対応、そして圧着する必要がありません。」とSöffgenが説明します。バッテリー内部のCANバスは、メインプリント基板状のPTSM接続につながり、そこでデータが評価されます。コントローラが電圧または温度の測定値が高すぎないかチェックし、次に必要であればバッテリ内のコンタクタを起動して電流フローを回避し、自動車は電源から切断されます。
車両の制御機器はCANバス経由で通信システム全体に統合
バッテリーの心臓部
すべてのスレッドは、バッテリー管理システムのメインプリント基板に集中します。これが、車内のバッテリーと他の制御機器との間のインターフェースとなります。
「メインプリント基板の開発は、最大の課題の1つです」とSöffgenが説明します。しかしチームは、社内での開発によってのみ、規則と規制の非常に具体的な仕様を満たすことができ、例えばエラーの際に迅速に対応するために必要な柔軟性を持つことができます。
フエニックス・コンタクトの2つの丸型コネクタが、バッテリーのメインプリント基板上の、自動車へのデータインターフェースとなります。CANバスと24 V電源電圧は、丸型コネクタ経由で送られます。CANバスシステムにより、ケーブルとコネクタを大幅に削減できるため、軽量化できケーブルハーネスの複雑さが大幅に軽減します。例えば、ドライブ制御用の制御機器とドライバ用ダッシュボードは、すべてのデータをCANバス経由で受信します。「組立済みCANケーブルを使用することで、時間を大幅に節約できるだけでなく、整然として信頼性の高いソリューションになります」とSöffgenは言います。
EMC保護対策
丸型コネクタは、電磁干渉を軽減するためにチームが今季開始した対策のパッケージに含まれます。「KEB F6インバータと、約80 kWの強力なパワーエレクトロニクスが車両に設置され、これによりもちろん大量の干渉が発生します」とSöffgenが説明します。これは昨年、CANバスでの問題の頻発につながりました。
この問題は現在、さまざまな対策によって解決されています。これにはプリント基板上のCANネットワークの電気的絶縁や、丸型コネクタ経由の独自の電源などがあります。「コネクタシステムと対応するシールドケーブルを組み合わせると、非常に整理された全周囲のシールドができ、可能な範囲で最高の方法で自動車を干渉に対して備えさせることができます」とSöffgenは言います。
ポイント
東ウェストファリア(East Westphalia)のレーシングチームは、近づきつつあるレーシングシーズンを楽観的に楽しみにしています。フエニックス・コンタクトのコネクタによって、バッテリーの信頼性は大幅に向上しました。結局、学生フォーミュラは単に表彰台に上がることだけではなく、車両の安全設計も重要です。
「技術的検査に合格するとレースで競争し、ゴールまで走ります。多くのことを達成するはずです」とSöffgenは言います。「しかし私たちにとっては、車両に対して一緒に作業することと、自分達のアイデアを試す自由が、レース自体より重要です。それはとても素敵なことです。」
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