研究プロジェクトにより超急速充電が可能に 最近のFastCharge研究プロジェクトで、フエニックス・コンタクトはBMW社、Porsche社、Siemens社、Allego社と共に、超急速充電テクノロジが実用可能ことを示しました。

FastCharge研究プロジェクト、充電時間短縮が可能であることを証明

概要

  • FastCharge研究プロジェクトは、電気自動車の充電時間を大幅に短縮する方法を発見するため、2016年7月に発足されました。
  • わずか数分による充電は、E-Mobilityが広く普及して日常で使い易くするための、重要な前提条件です。
  • A8フリーウェイのウルム(Ulm)とアウクスブルク(Augsburg)の間にあるユーロ イェッティンゲン=シェパッハ(Euro Jettingen-Scheppach)サービスステーションで実施された研究の結果が2018年12月に発表された際に、超急速充電テクノロジが実際に機能するという事実が確認されました。
  • これにはフエニックス・コンタクトの冷却型ハイパワー充電システム(HPC)が重要な役割を果たしています。
Dr. Markus Göhring氏、Frank Bauer氏、Stephan Elflein氏、Bernhard Pufal氏、Gerhard Oberpertinger氏、Robert Ewendt(左から順に)

Dr. Markus Göhring氏、Frank Bauer氏、Stephan Elflein氏、Bernhard Pufal氏、Gerhard Oberpertinger氏、Robert Ewendt(左から順に)

プロジェクトパートナー

FastChargeプロジェクトはドイツ連邦交通デジタルインフラ省が資金提供を行い、充電プロセスのすべての側面をカバーしました。コンソーシアムはBMWグループが主導し、その他のメンバーにはAllego GmbH社、Dr. Ing. h.c. F. Porshe AG社、Siemens AG社、およびPhoenix Contact E-Mobility GmbHなどがありました。

FastCharge研究チームには、Dr. MarkusGöhring氏(Porsche社)、Frank Bauer氏(BMWグループ)、FastChargeプロジェクトマネージャーStephan Elflein氏(BMWグループ)、Bernhard Pufal氏(Allego社)、 Gerhard Oberpertinger氏(Siemens社)、およびRobert Ewendt(フエニックス・コンタクト)がいます。

用途

電気自動車の充電は時間がかかりすぎるため、日常使用にはあまり実用的ではありません。E-Mobilityが話題に上がると、多くのドライバがこのような点を主張します。E-Mobilityが最終的に日常使用するにも十分便利になるためには、充電に関係するすべての部品やシステムの、電気的・物理的制約を検討しなければなりませんでした。FastCharge研究プロジェクトはこの目的で2016年7月に発足されました。プロジェクトの期間中、最大450 kWの充電パワーがテストされました。目標はガソリンスタンドでの給油と同程度に早くて便利な充電プロセスを発見することでした。

この共同プロジェクトでは、日常で使用するために必要なテクノロジを実用化するという目的で、急速充電のあらゆる面を検討することに重点を置きました。充電パワーレベルを上昇させることに加えて、プロジェクトチームは超高速充電システム運用のための基本原理とプロセスも検討しました。ユーザーにとって非常に重要な、プラグアンドチャージ、自動ログインおよび課金プロセスも含まれていました。

ハイパワー充電用コネクタ

ハイパワー充電(High Power Charging)コネクタで、わずか数分で電気自動車を便利に充電

ソリューション

この強力な充電インフラには、大電流に対応し、それをバッテリーに保存できる車両が必要です。Porsche社とBMW社は、FastChargeプロジェクトに特別装備の試験車両を提供しました。BMWはi3を改造して、正味容量57 kWhの高電圧バッテリーを装備しました。最大175 kWでの充電には15分かかります。Porsche社の改造パナメーラ(Panamera)は正味バッテリー容量約90 kWhで、さらに進んでいます。400 kWを超える初期の充電電力により、最初の100 km走行に対して3分未満の充電時間が実現します。どちらの車両も、充電プロセス中にバッテリーを冷却するための高性能の冷却システムを備えています。

2つの充電ポイント用の公共パワーグリッドおよびパワーエレクトロニクスへの接続を含むSiemens社の充電コンテナは、175 kWを供給する1つの充電ポイントと、もう1つは今までになかった450 kWを供給する充電ポイントを提供します。充電コンテナに必要なのは低電圧接続のみです。複雑な中電圧接続は不要です。それにもかかわらず、ハイパワーで2台の車両を同時に充電するのに使用できる十分なパワーがあります。Allego社が製造した充電ステーションは、ヨーロッパの実績ある標準のコンバインド充電システム(CCS)タイプ2充電コネクタを使用します。

ハイパワー充電コネクタを備えた充電ステーション

右側の充電ステーションは450 kW、左側は175 kWで充電

フエニックス・コンタクトの冷却型ハイパワー充電(HPC)充電ケーブルにより、本システムは車両モデルに応じて400 Vおよび800 Vのバッテリーシステムを充電することができます。したがって、電気自動車の急速充電プロセスは、従来の自動車への燃料補給と比較されるようになってきています。高度な充電テクノロジにより、ちょっとしたコーヒー休憩と同程度の時間で、500 Aの連続充電電流で電気自動車のバッテリーを充電することができます。冷却液には環境に優しい水とグリコールの混合物を使用しているため、半開放式冷却回路のメンテナンスははるかに簡単です。

ポイント:

2018年にドイツのバイエルン、イェッティンゲン=シェパッハ(Bavarian Jettingen-Scheppach)でこのハイテク充電システムが開設され、コンソーシアムは最初の100 kmに対して3分未満の充電時間が実際に可能であることを示しました。これにより、E-Mobilityが長距離に適していることも証明されました。コンソーシアムのパートナーは、プロジェクトの短い期間中に専門知識とテクノロジでお互いを完璧に補い合い、バッテリー駆動の電気自動車が受け入れられるための重要な貢献を果たしました。将来、運転者が電気自動車の「燃料補給」を行なって運転を続行するのにかかる時間は、時間単位ではなくわずか数分になるでしょう。

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