ロボットの工具交換などのメンテナンスの多いアプリケーションでは、摩耗しやすくメンテナンス頻度の高い接続部を、簡単にNearFiカプラに交換して、ダウンタイムのコストを最小限に抑えることができます。
NearFi―リアルタイムの通信
全てのイーサネットプロトコルにおける全二重伝送
リアルタイムイーサネットプロトコルを送信するためには、全二重伝送(つまり両方向の同時伝送)が必要です。
NearFiでは、全二重モードを可能にするために、別々の周波数帯域で2つの60 GHz接続(1つはアップリンク、もう1つはダウンリンク)が並列に使用されます。
これはつまり、TSNやOPC UAなどの将来の開発にも適した技術です。
ビット単位の伝送は遅延がありません。
ビット単位の伝送
NearFiでは、同期型ビット単位の伝送方式が採用されています。これにより、リアルタイムでの非接触型通信が可能となり、あらゆるイーサネットプロトコルが即座に伝送されることになります。
これまでのその他すべての無線伝送テクノロジは、パケット単位の伝送に頼っています。これは、最初にパケットが受信され、次に再度パケット化されて無線で伝送されるため、常に大きな遅延が発生します。無線パケットは、受信側で受信し、パッケージを分解した後、再度出力する必要があります。このプロセスには多くの非同期および遅延の原因となる操作が含まれますが、これらはフエニックス・コンタクトの革新的な伝送テクノロジにより完全に排除されています。
磁場を介したインダクティブ(電磁誘導)方式の電力伝送
インダクティブ(電磁誘導)方式の電力伝送
最大50 Wの電力伝送(並列接続最大100 W)は、インダクティブ(電磁誘導)方式です。ベースカプラはコイルを介して磁界を発生させ、その磁界がリモートカプラのコイルに誘導されます。アクティブ制御システムが、常に伝送に最適なパラメータを選択し、全作動範囲にわたって一定の電力伝送を可能にします。
2つのNearFiカプラを組み合わせると、自動電流均等化により電力を100 Wに増やすことができます。あるいは、各50 Wの2つの電気的絶縁電圧(US/UA)を伝送することができます。
あらゆる要件に対応する無線技術
WLANや他の無線技術との共存性
NearFiは、フエニックス・コンタクトの非接触リアルタイム伝送テクノロジで、60 GHz帯の無線通信を用いて、数センチメートルの範囲の近距離通信を行うものです。
近距離範囲内の無線通信は、近隣の機器に干渉スペクトルを与えません。つまり、多数のNearFiを並列して使用することができます。WLANやBluetoothなどの既存の無線技術との共存が常に確保されます。同様に、産業干渉スペクトルがNearFi Technologyに影響することはありません。
周波数計画は不要なため、専門知識も不要です。
NearFiカプラの一般的なアプリケーション分野
NearFiカプラを使用して可動式または回転式のシステムパーツと非接触で通信し、欠陥のあるコネクタや干渉を受けやすいスリップリングによる製造停止を回避することができます。