グリーンデータセンター用のDCグリッド デジタルアプリケーションが急速に発展し、AIテクノロジの隆盛が起こるにつれ、データセンターで必要となるエネルギー量も増大しています。DCグリッドは、データセンターの電源のエネルギー効率、持続可能性、およびコスト効率を向上させるための先進的なソリューションです。

データセンターはデジタルインフラにおいて最も電力を消費する存在の1つです。クラウドサービス、IoT、5G、AIによる計算処理需要の増加に伴い、電力消費とエネルギーコストが上昇している一方で、二酸化炭素排出量低減への圧力も高まっています。同時に、事業者は、安定した電源を確保し、レジリエンスを増大させつつ、地域のエネルギー源やインテリジェントなストレージソリューションなどを活用して、公共電力網への依存度の低減する必要があります。また、ダウンタイムを最小限に抑え、コストを削減し、持続可能な目標を達成するためにも、効率的なエネルギー管理が非常に重要です。したがって、グリーンデータセンターには持続可能で経済的な運営のための新しいコンセプトが求められます - これに対応する手法の1つが、直流グリッドへの切替えです。

データセンターにDCグリッドを使用すると、太陽光発電システムやバッテリーストレージシステムなどのエネルギー源をサーバや冷却システムなどの負荷に直接接続することになるため、変換損失を低減させることができます。従来型のAC/DC変換ポイントおよびDC/AC変換ポイントの大半は不要となります。これによりエネルギー効率が向上し、熱生成が低減します。それに伴う省エネルギー効果は、運用コストに直接影響します。
また、DCグリッドはグリッドの安定性も向上させることができます。発電機、ストレージシステム、負荷の直接カップリングによって、電圧変動のバランスが取りやすくなり、ピーク負荷を緩衝することができます。したがって、公共送電網の負荷を低減するだけでなく、データセンターのフェールセーフ性能も向上します。

All Electric Society Factoryなどのプロジェクトでその性能を実証したフエニックス・コンタクトのDCグリッド向けソリューションは、データセンターにおけるDCアーキテクチャにも適しています。これには、AC/DC高電圧変換用のモジュールキャリア取付型電源モジュール、補助DC電圧用QUINT POWER DINレール電源、安全な切替えおよび保護のためのCONTACTRON ELR HDCサーキットブレーカ、アークのないホットプラグを実現するArcZeroコネクタ、エネルギー監視用のEMproメーターとSmart RTU、および発電所規模のストレージ統合用BPCバッテリーコネクタなどがあります。これらの部品を一緒に使用することで、変換損失を削減し、再生可能エネルギーとバッテリーをデータセンターに統合する、効率的で安全かつ拡張可能なDC電源供給が可能となります。