熱意を込めた直流 ローカルDC送電網は、最大20%のエネルギーを節約でき、発電した電気を直接貯蔵することが可能になり、建設に必要な資源の量を大幅に削減することができます。
DCツインズ
フエニックス・コンタクトでは、彼らはDCテクノロジの担い手です。Martin WetterとChristian Helmigは、フエニックス・コンタクトのミッションステートメントであるAll Electric Societyに、強い意志を持って取り組んでいます。また、持続可能なエネルギー転換の成功に、直流が大きく貢献できることも確信しています。
あらゆるところに
日常生活では、私たちは直流電圧に常に取り囲まれています。「食器洗浄機やスマートフォンからカーエレクトロニクス(車載電子機器)まで、ディスプレイを備えたすべての電気機器は直流を使用します。ほとんどすべての電気ドライブは直流で動作します。ありとあらゆるバッテリーは直流を貯蔵します。旧式のトースターや衣類用アイロンのように、交流を直接使用する機器は非常に少ないです。」とMartin Wetterが説明します。
Christian Helmigが次のように付け加えます。「再生可能エネルギー発電機、特にソーラーの登場により、直流電圧が再び大きな課題となっています。ソーラーパネルでも風力タービンでも、生成されたエネルギーはまず直流に変換されます。そして電気自動車では、直流のバッテリーが車輪を動かします。」
フエニックス・コンタクトのAll Electric Society Factoryの屋根のソーラーフィールド
直流のメリット
トーマス・アルバ・エジソン(Thomas Alva Edison)の後継者にとって有利となる具体的な論点としては、効率性、保存性、資源があります。エネルギーを変換するたびに、一部が熱として失われることは明白です。風力または太陽光で発電する場合、最初はDC電圧として得られます。交流に変換すると、元のエネルギーの約20パーセントが「消費」されます。この損失は、DC電力の世界で運用すれば回避することができます。
2つ目のメリットは回収、つまり過剰な運動エネルギーの利用です。「これは直流では特に簡単です。E-Mobilityだけではなく、ハイベイ倉庫システムや産業用ロボットなど、多くの産業分野でも重要です。移動が減少するとエネルギーが回収されます」と、Innovation ManagerのWetterが付け加えます。「そのため、直流の使用を増加させるためには、効率が中心的な課題の1つです。」
DC電気は、充電ステーションから電気自動車の駆動用バッテリーへ流れます
直接貯蔵できる点も、もう一つのメリットです。バッテリーからのエネルギーは直流です。直流システムは、バッテリーのエネルギーを変換せずに直接貯蔵したり引き出したりすることができます。システムの複雑さが軽減されるため、効率が向上します。
次のメリットは資源の節約です。これは材料の節約から始まり、必要な銅線ケーブルの断面積が大幅に小さくて済むことによります。また必要な接続負荷、つまり送電事業者が契約により提供する電気エネルギーの量は、従来のAC接続の約2/3になる場合もあります。「そのため、機械が稼働する前にもすぐにコストを削減することができるのです。」とChristian Helmigが説明します。
Dr. Christian Helmigが、DCとACの違いを説明します
直流に取り組むことが、いまだに専門家の領域なのはなぜですか。Dr. Christian Helmigが説明します。「日常生活におけるDCとACの実際の違いは、電圧のゼロ点が存在しないことです。稼働中の機器がAC電圧の主電源から切断されると、アーク放電が発生します。しかしそれに気づくことはほとんどありません。ほんの一瞬しか続かないからです。直流では、はるかに慎重にならなければなりません。直流電圧で稼働する通電状態の機器を、主電源から切断すると、危険なアーク放電がトリガされ、ユーザーにも材料にも大きなリスクとなります。このため、当社の製品開発目標の1つは、エンドユーザーは交流に慣れているため、直流でも同レベルの安全性を実現することです。
Dr. HelmigとDr. WetterはDCの有効性を確信
ポイント:
Dr. Helmigは確信しています。「展示場の数が増えるにつれて、このテクノロジの使用はどんどん容易になります。その一方で、お客様の関心は着実に高まり続けています。産業分野のお客様の多くは、現在私たちがAll Electric Society Factoryで得ている経験について知りたいと考えており、実際に現地を訪問したいという声もいただいています。」
2人のイノベータは、そのミッションの成功を確信しています。「このテクノロジは有意義だと確信しています。メリットは明白です。当社のAll Electric Societyのビジョンに完璧にマッチしているため、開発される製品も将来に投資する価値があります。」