CLIPLINE completeの25年

接続する端子台システム
CLIPLINE completeの25年

端子台システム CLIPLINE complete

端子台システムCLIPLINE completeは、25年にわたってさまざまな端子台を自由で柔軟に組み合わせる機会を提供してきました。これには、中継端子台や、接続方法が異なる各種機能端子台も含まれます。このシステムには、端子台に加えて均一なブリッジ、マーキング、テスト用のアクセサリもあります。

端子台システムの登場 CLIPLINE completeの始まり

1928年、フエニックス・コンタクトはRWEにインスピレーションを受けて最初の端子台を開発しました。その後長年にわたり端子台の開発を継続しましたが、当時の端子台の材料はまだセラミックでした。1953年、セラミック製端子台が熱硬化性端子台に変わり、その後1976年には初の熱硬化樹脂製端子台(UK)が生まれました。端子台が高度な要件を満たすだけでなく、初めて連続生産が可能になった点で、端子台UKシリーズは大きな前進を示す存在となりました。しかし、当社はこれで満足したわけではありません。年月を重ねていくうちに、海外進出によって製品と会社のコスト効果の重要性が高まり、結果として総合的な端子台システムの初期の構想が生まれたのです。目的は、さまざまなタイプの端子台を同一のアクセサリと組み合わせられるようにして、保管コストと物流コストを最小限に抑えることでした。1999年、端子台STはCLIPLINE completeシステムにおける初の端子台シリーズとなりました。システムはどのように進化したのでしょう。以下のタイムラインをクリックしてご確認ください。

すべては、CLIPLINE completeの最初の必須コンポーネントを代表するスプリングケージ式接続テクノロジ「ST」が導入された1999年に端を発しています。

Basak Sevgi Gürsoy - Phoenix Contact GmbH & Co. KG
インタラクティブイメージマップ:端子台システムCLIPLINE completeの登場と発展
スプリングケージテクノロジST(1999)
端子台システムCLIPLINE completeの発売。 すべては、CLIPLINE completeの最初の必須コンポーネントを代表するスプリングケージ式接続テクノロジ「ST」が導入された1999年に端を発しています。初代の端子台STを開発する際に、標準化システムを作りたいという思いはすでに生まれていました。
スプリングケージテクノロジST(1999)
圧接接続テクノロジQT(2002)
QTはフランスにおける鉄道産業への門戸を開きました。 2002年、CLIPLINE completeシステムは圧接接続テクノロジを採用した端子台により拡張されました。QTテクノロジは現在でも、最速接続テクノロジの1つに数えられます。
圧接接続テクノロジQT(2002)
Push-inテクノロジPT(2009)
Push-inはシステムにおける最大のマイルストーンの1つです。 2009年、Push-inテクノロジは制御盤構築における工具不要の効率的な配線における基礎となりました。当時は、端子台システムが新しいPush-inテクノロジの組込みをサポートしていました。端子台STと同一の形状と、統一されたアクセサリを採用したことにより、お客様はPush-inへの切り替えを簡単に行うことができました。
Push-inテクノロジPT(2009)
ねじ式接続テクノロジUT(2004)
CLIPLINE completeがねじ式接続により拡大しました。 2004年、UT製品シリーズがCLIPLINE completeシステムに統合され、端子台UKにおける既存のねじ式接続テクノロジを大々的に刷新しました。この統合によって、端子台システムはより広範な端子台市場に向けて拡張されることとなりました。
ねじ式接続テクノロジUT(2004)
Push-XテクノロジXT(2022)
未来は今から始まります。 2022年、Push-Xが端子台システムの最新型として製品シリーズに仲間入りしました。この新しい接続テクノロジによって、制御盤構築は新たな段階へ突入することとなるでしょう。Push-Xは手動および自動配線のいずれにおいても最適な特性を提供します。
Push-XテクノロジXT(2022)
プラグイン接続テクノロジCOMBI(2001)
システムのプラグインソリューションです。 2001年、プラグインシステムCOMBIがCLIPLINE completeに統合されました。COMBI接続は特に組立済みケーブルハーネスの配線に適しているため、エンドカスタマーが制御盤への接続を簡単に行うことができます。
プラグイン接続テクノロジCOMBI(2001)
ボルト式接続テクノロジRT(2007)
圧着端子付き導体端部向けの端子台です。 2007年、新しいボルト接続テクノロジRTが端子台システムの一部に加わりました。その後は、丸型圧着端子とY型圧着端子付きの電線も、CLIPLINE completeシステムを使用して配線できるようになりました。
ボルト式接続テクノロジRT(2007)

QTが発売されたのは2002年で、フランスにおける鉄道産業への門戸を開きました。現在でもQTは、依然として最高速の接続テクノロジです。

Bertrand Lovisi - PHOENIX CONTACT SAS

システムには高レベルの共有性が必要 – 標準化アクセサリ


ブリッジアクセサリ 標準プラグインブリッジ – 成功を生んだコンセプト

端子台システムCLIPLINE completeの成功における重要な要因の1つが、プラグインブリッジシステムFBSです。こうしてフエニックス・コンタクトは、世界トップの端子台メーカーとなったのです。ブリッジシステムによって、断面積、機能、テクノロジを問わずさまざまな端子台をすばやく簡単に接続することができます。プラグインブリッジの標準化によって、お客様は保管コストや物流コストを削減できるようになりました。

テストアクセサリ 統一されたテストピックオフにより迅速なテストが可能

CLIPLINE completeシステムのテストアクセサリも標準化され、このため端子台全体でブリッジシャフト内のカレントバーに接触します。専有されているブリッジシャフトの電流を試験するため、CLIPLINE completeシステムの端子台には追加のテストオプションがあります。例えば、スプリング式端子台とQT端子台には、標準化された2 mmのテストプローブ用にテストピックオフが付いており、ねじ接続式端子台は端子ねじを使って簡単にテストすることができます。

端子台用マーキング部材

端子台用マーキング部材

マーキングアクセサリ 整然と並んだ制御盤のための高レベルの明瞭性

CLIPLINE completeシステムの端子台にはラベルを保持するための標準化されたマーキング溝があります。このため、テクノロジを問わずさまざまな端子台でマーキング部材を使用できるようになり、結果として保管コストと物流コストを最小限に抑えることができます。他の部材が必要となるのは、断面積が変更され、異なる水平ピッチが使用されるようになった場合のみです。

2004年、UT製品シリーズがCLIPLINE completeシステムに統合され、既存のねじ式接続テクノロジを大々的に刷新しました。

Cory Myer - PHOENIX CONTACT USA Inc.

産業とアプリケーション 端子台システムの一般的なアプリケーション分野

インタラクティブイメージマップ:端子台システムのアプリケーション分野
エネルギー産業
エネルギー産業では、制御盤と分岐の効率的な配線および安全な操作を確保する上で、端子台が非常に重要となります。フエニックス・コンタクトの端子台は、発電や分電の分野で使用されています。端子台は、取得エネルギーの直接伝送や分岐に加え、ヒートポンプ、風力タービン、ソーラーパークの製造など、再生可能エネルギーの生成もサポートします。
エネルギー産業
プロセス産業
端子台CLIPLINE completeは、プロセス産業が直面するさまざまな課題に対応します。総合的なシステム可用性、モジュール化、デジタル化に加え、この端子台は安全と耐久性についてのきわめて高い要件も満たしています。Ex認証(EAC Ex、ATEX、IECEx、UKCA Exなど)付きの端子台は、プロセス産業におけるさまざまなアプリケーション分野に特に適しています。
プロセス産業
交通インフラ
ここでいう交通インフラには、道路交通、船舶、鉄道交通が含まれます。CLIPLINE completeシステムの端子台がこうした分野でも使用できるようにするため、システムの各種端子台は船舶アプリケーション(DNV GL)および鉄道産業用の個別の規格や指令に準拠しています。
交通インフラ
ビルディングオートメーション機器
この端子台システムには、特別中継端子台およびビル設備用KNX端子台が含まれます。中継端子台はビル設備に必要なすべての規格に適合しており、中性線切断用の組込み型断路スライドなどの特別な特性も備えているため、この種のアプリケーションにおいて最適な状態を提供します。
ビルディングオートメーション機器
工作機械と開閉装置製造
端子台は工作機械と開閉装置製造においても重要なコンポーネントです。それぞれの機械やシステムには、電線やセンサの配線においてさまざまな電力インターフェースが必要となります。制御盤においては、通常端子台を使ってこうしたインターフェースを実装します。
工作機械と開閉装置製造
制御盤構築
これらの端子台は制御盤構築においておそらく最も幅広いアプリケーションを提供します。この端子台システムは、特に委託製造において多くの利点を提供します。CLIPLINE completeシステムにより、制御盤構築業者はお客様の要件に個別に対応することができます。ここでは、将来の設置場所や接続テクノロジが障害となることはありません。また、注文ごとにさまざまなアクセサリを使用する必要もないため、保管コストや物流コストも削減できます。
制御盤構築

賢くシンプル – 2009年、Push-inテクノロジは制御盤構築における工具不要の効率的な配線の基礎を築きました。

René Bruins - PHOENIX CONTACT bv
René Bruins – Product Management
配線ロボット付きの端子台システムCLIPLINE complete

端子台システムの未来

端子台は、現在も未来も、電化における重要コンポーネントであり続けます。もちろん、枠組みについての一部の条件や要件は時の流れと共に変化していきますが、当社の製品も常に進化を続けます。フエニックス・コンタクトでは、日々改善や新たなテクノロジについての研究が行われています。当社はPush-inやPush-Xテクノロジなどの工具不要の接続を重視しています。この2つのスプリングケージテクノロジは、今後の配線テクノロジにおいて標準になると確信しています。なぜでしょうか。これらの接続テクノロジは、どちらも最適な配線特性を提供し、時間と労力を節約した手動配線にも、自動配線にも適しているからです。

2022年、CLIPLINE completeシステムの最新シリーズとしてPush-Xが加わり、制御盤構築におけるイノベーションは新たな段階へと踏み出しました。

Janine Walter - Phoenix Contact GmbH & Co. KG
Janine Walter – Product Marketing