ポルトガルの太陽光発電システムには、監視ソリューションが利用されています ソーラーパークの信頼性が高く経済的な運用
お客様情報
ポルトガルのモウラ(Moura)のソーラーパークには、フエニックス・コンタクトの監視ソリューションが利用されています
Wirtgen Invest Holding GmbH社は、ドイツのNeustadt(Wied)(ノイシュタット)を拠点とし、ポルトガルの再生可能エネルギーの拡張に投資しています。2020年と2021年に、Wirtgen Invest社はパートナーと共に6ヶ所の太陽光発電システムを設置しました。
このパートナーにはHamburg(ハンブルグ)のWiNRG GmbH社が含まれ、同社は2005年以来再生可能エネルギーに積極的に取り組んでいます。従業員は世界中の顧客のために、風力タービン発電機および太陽光発電システムに関係する大規模プロジェクトや取引を管理しています。プロジェクトチームには、フエニックス・コンタクトの他に、プロジェクトマネージャのEPC Conecon GmbH社、太陽光発電システムの制御・監視担当のシステムインテグレータとしてのZebotec GmbH社、解析ソフトウェアプロバイダのQOS Energy社が含まれます。
課題
モウラ(Moura)のソーラーパークには、130,000枚を超えるソーラーパネルがあり、定格電力49.4 MWpを発電しています。
ドイツエネルギー・水道業連盟(German Association of Energy and Water Industries、BDEW)によると、ポルトガルの電力の半分以上が再生可能エネルギーによるものであるとのことです。設置された容量を見ると、主要な水力発電と風力発電が重要な役割を果たす一方、太陽光発電(PV)はほとんど使用されていないことがわかります。これは現在、大幅に変化しています。2021年末までに、合計容量1.7 GWpの地上設置型システムがポルトガルに建設されました。2030年までの予測によれば、さらに9 GWp以上の建設が見込まれています。フエニックス・コンタクトの監視ソリューションは、ポルトガルですでに6か所のソーラーパークに設置されています。
モウラ(Moura)では、2021年半ばに5番目のパークが無事にグリッドに接続されました。パークはポルトガルのスペイン国境に近い南東部に位置し、130,000を超える太陽光発電パネルを含み49.4 MWpの定格電力を発電します。太陽光発電システムは、敷地内に新しく建設された変電所を経由して、高い電圧レベルで電力グリッドに直接給電します。電力は次に、売電契約(PPA)に従って市場で販売されます。
隣接するAmarelejaおよびFerreira do Alentejoの太陽光発電システム、リスボン北部のCartaxoパークおよびSantaremパーク、アルガルベ(Algarve)のLagosシステムと合わせて、モウラ(Moura)は毎年3億2500万MWhを超えるグリーン電力を発電しています。この電力は、80,000を超える4人家族に供給され、140,000メートルトンの炭素排出を節約します。
ソリューション
合計525台の接続箱が、データを収集し、アプリケーションを保護し、必要に応じてリリース
完全かつシームレスな監視ソリューション
個々の太陽光発電パークは似た構造を持つため、モウラ(Moura)のシステムの例を使用してコンセプトを説明することができます。合計525台の省スペースな接続箱(SCB)が、7,350の太陽光発電用ストリングから電流を収集し、SMAからの同数のSHP75インバータに導きます。SCBでは、DCケーブルはサージ電圧から保護され守られています。地上設置型システムは、サイズや設置場所の特性により雷電流とサージ電圧による危険性が非常に高いため、保護が重要です。フエニックス・コンタクトの雷電流アレスタおよびサージ保護機器により、ソーラーパークの可用性が大幅に向上します。機器はEN 50539-11およびUL 1449第3版の太陽光発電設置時のサージ保護の規格を満たしており、KEMA認証を受けています。メンテナンスが必要な場合は、サービス作業を安全に実施できるようにSCBを切断することができます。
DC電圧は、20か所の変電所で0.4 kVから30 kVに変換
信頼性の高いシステム運用と容易なグリッド接続
インバータで変換されたAC電圧は、フィールドに設置された20か所の変電所に転送され、0.4 kVから30 kVに変換されます。太陽光発電を地域の送電網に供給する前に、変圧器がグリッド接続ポイントで、収集されたAC電圧を30 kVから60 kVに変換します。ここでは測定機器がグリッドパラメータを記録し、それを中央給電コントローラに通信します。分散型発電所は、グリッドの高い安定性を確保する役割を担っています。この目的で、担当のグリッドオペレータは、太陽光発電システムのグリッド接続条件として、グリッドの周波数や電圧、無効電力の保守範囲を指定します。これらの値を確認するために、発電所(電力制御ユニット)の調整器でグリッド接続ポイントの現在の電圧と無効電力を記録します。次にフエニックス・コンタクトの機器が、これに基づいてそれぞれの制御値を判定してインバータに転送し、必要に応じて調整することができます。
合計20台のデータロガーをフィールドに設置
データロガーと環境センサの迅速な試運転
モウラ(Moura)のような大規模ソーラーパークは、発電に加えて大量のデータが生み出され、それを収集、処理、分析して太陽光発電システムがどの程度経済的に稼働しているかを評価する必要があります。そのため、20か所の変電所のそれぞれにデータロガーがあります。この機器は自動検出モードを使用して機能するため、ソーラーパークに設置されたすべてのシステムはプラグ・アンド・プレイで簡単に接続することができます。これにより、コンフィグレーションが不要なため試運転の時間が大幅に短縮されます。データロガーに組み込まれたインバータマネージャが、イーサネット経由でインバータからデータを受信し、Axiocontrol製品シリーズのAXC 1050小型コントローラ(設置済み)に伝送します。さらに、AXC 1050は接続された気象センサからデータを収集します。
試運転とコンフィグレーションの手間がわずか
気象データの伝送
モウラ(Moura)ソーラーパークには、合計6基のウェザーステーションが設置されており、14台のパネル温度センサ、8台の全天日射計、12台の基準用セル、2台の風向センサ、2台の風速センサ、2台の温度、湿度、大気圧用組合せセンサがあります。フエニックス・コンタクトの環境センサは、Modbusプロトコルで制御システムに直接接続されています。機器はすでにパラメータ化されているため、すぐに気象データの伝送に使用することができます。Y分岐付きM12接続により、各センサを個々に配線するのではなく、直列接続で非常に簡単になります。そのため現場で必要な配線の量を大幅に削減でき、センサを全体的なシステムに統合するのがより簡単になります。コンパクトなウェザーステーションとは異なり、フエニックス・コンタクトから入手可能なセンサは個別のモジュールです。つまり、センサが故障した場合には、そのセンサのみを交換すればいいということです。
主要データの常時記録用のセンサ
すべてのデータをシンプルに中央パーク制御に転送
気象センサを使用することにより、オペレータはソーラーシステムの出力、いわゆるシステム出力係数(performance ratio、PR)に関する結論を導き出すことができます。この値は実際の発電量と目標発電量の比を用いて計算されます。ここで実際の発電量は設置されたエネルギー測定機器から判断されます。パネルと同じ高さで水平および25度の傾斜で設置された全天日射計と基準用セルが、目標発電量に関する情報を提供します。計算されたPR値が低すぎる場合、オペレータは調整を適宜変更できます。データロガーはデジタル信号も受信し、そこには変圧器の温度とスイッチング機器の状態の情報が含まれます。
アセットパフォーマンス管理プラットフォームは、ソーラーパークからのデータを解析し、顧客専用でこれを表示します。
分析とカスタム指定の表示
インバータ、気象センサ、トランスフォーマ、スイッチング機器からのすべてのデータは、冗長リング構造を経由して光ファイバケーブルで、制御室内にある中央パーク制御に伝送されます。フエニックス・コンタクトのオープンで柔軟な制御プラットフォームにより、アセットパフォーマンス管理ポータルへのQOSエネルギーの転送はシンプルです。次にデータからの具体的な分析、警告、レポートにより、O&Mサーバプロバイダの作業プロセスが合理化されます。
担当者
ポイント
フエニックス・コンタクトのスマートなオートメーション・テクノロジにより、6基のソーラーパークからのすべてのデータが常に記録され、QOS Energyのアセットパフォーマンス管理ソリューションによって解析されます。フエニックス・コンタクトはWiNRG GmbH社に、フィールドレベルでのデータ記録機能から給電制御・表示機能に至るまで、ソーラーパークマネジメント向けの完全かつシームレスな監視ソリューションを提供しています。これにより、ソーラーパークの信頼性が高く経済的な運用が可能になります。