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環境

当社はすべての主要な製造拠点で、統合管理システムに関するISO 14001の認証を受けています。中心となっている価値観は、環境保護と資源保護です。
ソーラーシステムの真ん中の屋根の上にいる従業員

エネルギー変化と気候保護のための技術的ソリューションを促進する製品のメーカーとして、当社は環境と自然を保護し、資源を慎重に使用し、再生可能エネルギー源からエネルギーを生成し、可能な限り最大限にエネルギー効率を高めるため自社の製造拠点で積極的にこうした活動に貢献しています。目的は、地球温暖化を制限するべく温室ガスを最小限に抑えることです。当社製品の環境フットプリントは、使用材料、輸送、廃棄物防止などが関連要素となるため、この活動の中心を担っています。

環境と気候の保護

フエニックス・コンタクトでは、長年にわたり環境保護、気候保護を実践してきました。ISO 14001およびISO 50001の認証を取得していることが、総合的な環境およびエネルギー管理システムを運用していることの証です。雨水を処理水として使用し、地熱エネルギーや排熱を暖房に利用し、製造施設の建物の屋根に設置した太陽光発電設備で自家発電を行い、90%を超える廃棄物の分別を行い、空きスペースを花の咲き誇る草地に変えるなどはほんの数例に過ぎません。「Klimaschutz-Unternehmen」という気候保護企業で構成される団体の会員として、当社はパートナーや各省庁と連携しています。

エネルギーと直接排出

フエニックス・コンタクトは範囲1と2について、すでに直接的および間接的に炭素排出量を削減することに成功しています。2022年にグリーン電力に切り替えた結果、101,000 mt超の削減(2021年比)に成功しました。これによって、フエニックス・コンタクトは2022年以降、すべての主要拠点における電力供給について、カーボンニュートラルを達成しています。排出量をさらに削減するための方法には、エネルギー効率の最大化、再生可能エネルギーの自家発電などありますが、排出量のオフセットも不可避です(画像参照)。

エネルギー効率と排出量の画像
開いた制御盤の前に立つ人
田舎にある風力発電機
フエニックス・コンタクトのAES Parkにおけるソーラーアンテナ
ソーラーシステムと風力タービン発電機
開いた制御盤の前に立つ人

製造用または業務用の建物において、エネルギーは電力や冷暖房のために使用されます。2013年以降、フエニックス・コンタクトはドイツにおける三大拠点でISO 50001に準拠したアクティブなエネルギー管理システムを運用しています。エネルギー管理により、システムや建物の効率的な稼働が可能となります。定義済みの目標は、2025年末までにエネルギーの合計消費量を2018年比で3%削減するというものです。2022年末における目標達成レベルは42%で、目標の範囲内に収まっています。

田舎にある風力発電機

購入電力は完全にグリーン電力に切り替わりました。購入は、OK Power、EcoEnergy、Green-eなどの高品質ラベルに基づいて行っています。2022年以降、ほぼすべての主要な拠点で必要な電力の90%超が水力、風力、太陽光などの再生可能エネルギー源から生成されています。この活動は現在も拡大中です。

フエニックス・コンタクトのAES Parkにおけるソーラーアンテナ

排出削減に向けた第3の方法が、電力の自家発電です。目標は、所要エネルギーの30%以上を太陽光発電を用いた自家発電でまかなうことです。本社建物の屋上の表面積は93,000 m²です。将来的には、ブロムベルク(Blomberg)だけではなくドイツおよび世界各国のその他の拠点でもすべての屋根で太陽光発電を実施する予定です。

2021年と2022年に、ドイツ、中国、インド、スイス、米国において約2,900 kWpの容量を持つ太陽光発電システムが設置されました。

ソーラーシステムと風力タービン発電機

避けられない炭素排出は、環境プロジェクトへの資金拠出によって相殺しています。プロジェクトの選定においては、Gold Standardなどの国際的に認知されている独立認証機関に指示を仰ぎ、再生可能エネルギーシステムの拡大に寄与するプロジェクトを推奨しています。計画では、継続的に補償対策の比率を約10%まで減少させる予定です。これを確実にするため、世界中で変化のコンセプトを準備中です。ここにおける主要目標は、電気エネルギーを使った熱生成などの化石エネルギーの消費を削減することです。

材料、輸送、廃棄

製品の開発と設計において、サステナビリティは不可欠の基準です。ここで特に重要となるのが、材料の選定です。これは、使用される半製品および材料が各製品のエネルギーバランスに影響するためです。結果として、製造にほとんどエネルギーを必要としない母材を優先的に使用することとなり、炭素排出量が削減されます。材料の種類を削減し、グレードの純度を維持し、リサイクル不能な材料の使用を最小限に抑えることによっても、高いリサイクル率の確保が可能です。

フエニックス・コンタクトは、自社の原材料やサービスとその輸送ルートについて世界的な分析を行い、環境に与える影響や潜在的な社会リスクを算出しました。また、広範な部品とコンポ―ネントが直接原材料を使用します。これらは処理・精錬されてコンポーネントや部品となり、最終製品に使用されます。

黒い顆粒のつまったバッグに入れた手
クッション材AirWaveで段ボールへの梱包を行う従業員
ハイベイ倉庫システム、ブロムベルク(Blomberg)
ごみ箱のプラスチックの廃棄
黒い顆粒のつまったバッグに入れた手

フエニックス・コンタクトは2030年までに炭素排出量を90%削減することを目指しています。これを目標に、2021年には比較可能なデータベース値に基づく商品グループと材料のカーボンフットプリントを特定し、ホットスポット分析によってサプライチェーンにおける対策の対応分野を特定しました。

フエニックス・コンタクトには、すべての従業員の行動の法的および道徳上のガイドラインを定義した全社向け行動規範があります。会社の要件をサプライチェーンに織り込んだサプライヤー向けのサプライヤー行動規範も作成されました。サプライヤーも購買契約において行動規範を順守しなければならなくなりました。社会的責任は、サプライヤーの事前選定のプロセスや、資格認定、供給契約においてもしっかりと組み込間れている原則です。

フエニックス・コンタクトは、EcoVadis社にサプライチェーンの徹底分析を委託しました。EcoVadis社は企業のサステナビリティランキングを提供する世界トップの企業の1つです。フエニックス・コンタクトは分析結果をサプライチェーンにおけるリスク回避対策の考案に活用しています。

フエニックス・コンタクトは、毎年大量のプラスチックを加工しています。資源の節約のため、当社はポリアミドを使用しています。この材料は高レベルな精緻さとプロセス信頼性を確保しながら処理できます。また、フエニックス・コンタクトはすでに再生可能原材料に由来する初のプラスチックもすでに使用しています。

クッション材AirWaveで段ボールへの梱包を行う従業員

環境配慮型の梱包を選択する際に、フエニックス・コンタクトはリサイクル可能性の高さを重視しています。フエニックス・コンタクトは、主として段ボール、クラフトペーパー、PaperWave、PadPakなどの紙ベースのソリューションを製品や輸送梱包材、充填材に使用しています。梱包の持続可能性を向上させ、環境への影響を削減するため、紙の代替品(草や麻製の紙)やプラスチックの代替品(リサイクルプラスチックやサトウキビ)も現在テスト中です。過去数年にわたり、安定性を減じることなく会社の標準梱包の重量を継続的に低減するため尽力してきました。結果として、梱包材300,000 kgの節約に成功しています。

このため、世界中の輸送においてロードビンが標準容器として使用されています。容器に対する需要が増大しているため、物流拠点に直接社内クリーニング施設を設立しました。これによって各拠点とクリーニングサービス提供業者との間のトラック輸送が不要になりました。業務をより環境配慮型にするため、2021年以降は複合材製のロードビンを使用しています。

ハイベイ倉庫システム、ブロムベルク(Blomberg)

カーボンフットプリントの透明性を確保するため、フエニックス・コンタクトはSkyLabダッシュボードを使用しています。これは、輸送における炭素排出を明示するよう設計されたシステムインテグレーション済みの方法です。輸送中の排出削減のため、最良船積指示書(The Best Shipping Instructions:BSI)を使用しています。これは、本社とヨーロッパ以外の子会社の間の最適輸送ルートを決定するシステムインテグレーション済みの方法です。この方法では、より多くの在庫量を抱えるコスト(資本コミットメントコスト)と輸送コストを比較します。結果として、最も効果的な輸送ルートと共に出荷推奨が提供されます。

2020年は、売上が24億ユーロだったのに対し、バリューチェーン全体での炭素排出量は700,000 mtでした。2021年には、炭素排出量が820,000 mtに増加したものの、売上も29億7000万ユーロに上昇しました。2021年と2022年には、排出量における空輸の割合を削減するための初期対策が実施されました。これによって炭素排出量が2,500 mt超も削減されました。

ごみ箱のプラスチックの廃棄

ブロムベルク(Blomberg)にある本社は、大規模な製造拠点であると同時に大規模な業務および物流拠点でもあります。このため、大量の廃棄物が出ます。こうした廃棄物は、明確に定義された廃棄コンセプトを適用して分別・回収しています。目的はサステナビリティと経済的な面における安全な廃棄を実現することです。

2021年、この拠点では地方自治体が処分する産業廃棄物の割合を4.7%から4.3%に削減することに成功しました。地方自治体が処分する産業廃棄物の割合は、ドイツのSchiederおよびBad Pyrmontの拠点でも継続的に削減されています。

2021年には購買注文が大幅に増えたため、非鉄金属や銅などの金属廃棄物の割合が増加しました。これらの材料は、再利用に向けて砕片化サイクルに送られ、処理されます。2021年の再加工砕片の量は、前年比150 mt増となりました。

製造用の直接材料と共に、補助材料や製品もそのサステナビリティについて評価・選定しています。

製品責任

当社は製品とソリューションに対して高レベルな標準を設定しています。品質だけではなく、常にイノベーションにも注力しています。フエニックス・コンタクトは、製造プロセスとビジネスプロセスからアフターサービスまでの、包括的な品質管理システムを確保することを目標としています。すべてのシステムとプロセスは認証を取得しています。内部監査員と外部監査員が定期的にこれらの実施状態と効果を監視・検証しています。

フエニックス・コンタクトは研究開発(R&D)を非常に重要視しています。2021年のフエニックス・コンタクトグループの研究開発費は約€1億9800万ユーロであり、これは売上の約7%に相当します。研究開発担当の従業員数はフルタイム当量(FTE)で前年比150増加し、1,650 FTE超となりました。結果として、新たな特許申請は初めて100件を超えました。フエニックス・コンタクトは長期にわたり、この点で業界平均を超える結果を残しています。当社の特許数は、イノベーションにおける強みの証です。

持続可能なエネルギー生成
ラボにおけるサージ保護用の短絡テスト
草のフットプリント
持続可能なエネルギー生成

製造における環境保護について、フエニックス・コンタクトは革新的な製品ラインアップにおいて疑わしい物質の使用を避けるため最大限の努力を払っています。当社の「環境コンプライアンス標準」は、記載されている要件を確実に順守するようすべてのサプライヤーに義務づけられています。フエニックス・コンタクトは定期的にサプライヤーの信頼性を評価し、材料の規制成分についての情報を要求しています。また、疑わしい物質についてはラボによる分析で材料をテストしています。新しい材料を導入する際は、厳格な評価プロセスを実施します。RoHS指令2011/65/EUやREACH規則(EC)No. 1907/2006などの法的要件の順守も確保しています。REACHに準拠してSVHC(高懸念物質)に分類される物質を含有する材料は、代替物質が利用できない場合に限り、法的要件に基づいて承認されることが規則で定められています。

ラボにおけるサージ保護用の短絡テスト

製品の安全性には、フエニックス・コンタクトの品質標準の核をなす要素として最高レベルの優先度が設定されており、テストによって認証を受けます。フエニックス・コンタクトは安全関連のあらゆる法規、ならびにこれらに組み込まれた指令や標準を順守しています。また、多くの製品は独立機関によるテストおよび評価を受けています。

製品にはさまざまな安全機能を採用しています。製品セキュリティインシデント対応体制(Product Security Incident Response Team (PSIRT))が安全性における脆弱性について製品を広範にテストし、セキュリティアップデートを発行しています。フエニックス・コンタクトは、機械やシステム、インフラの将来に備えた運用を確保するため、製品やサービスに標準化されたセキュリティを提供しています。必要なアップデートは長年にわたって利用可能な状態としておくことにより、長期の耐用年数を実現します。製品開発はIEC 62443-4-1準拠の認証プロセスに則って行われます。安全対策は、脅威分析に基づいて実施、検証、文書化が行われます。

草のフットプリント

2021年以降、フエニックス・コンタクトは環境影響の側面から自社の製品を評価しています。製品の環境フットプリント(PEF)は、EF3.0の仕様に準拠して算出されています。将来的には、結果をオンラインで利用可能にする予定です。バリューチェーンにおける炭素排出量の透明度と正確性を向上させるため、製品の環境フットプリント用のデータはその正確性を増してきています。

製品の環境フットプリントの詳細