UV LED印字 テクノロジ
UV LED印字テクノロジは、紫外線による印字液の急速硬化処理に基づいています。プリントヘッドは液体からインクの液滴を作り出し、マーキング部材の方向に放出します。液滴はマーキング部材の移動中に、プリントヘッドの下で並んで塗布されます。同じステップで、高強度紫外線放射により液体を硬化させます。このプロセスでは部材を加熱しないため、施したマーキングは直ちに使用可能です。印字されたプラスチックまたは金属製のマーキングは、拭取り耐性やスクラッチ耐性が高く、特に化学薬品に対して高い耐性を持ちます。
特長
- オプションのカラー印字と、プラスチックまたはアルミニウム製の1,000種類以上のマーキング部材を利用できる多目的なマーキングプロセス
- 部材の自動フィードと機器の積み重ね・積み下ろし機能により、大量の部材を高速で処理
- 標準(300 dpi)からHD印字(600 dpi)まで拡張可能な印字解像度
- 液体を紫外線で集中硬化させるため、マーキングを即座に利用可能
- 耐化学薬品性、耐汚染性、スクラッチ耐性のある印字仕上がり
- LEDテクノロジによる低エネルギー消費
(1) 印字液 (2) UV放射 (3) ポリマー (4) 着色顔料
着色剤 溶剤系インクまたは溶剤を含まない液体
アプリケーションによっては、識別を溶剤系インクで作成する場合、マーキングは他の溶剤によって分解されないことが必要となります。したがって、この方法はあらゆるアプリケーションに適しているわけではありません。インクを硬化させるために、印字工程に続いて部品を数分間加熱させます。使用する材料とインクに応じて、+70℃~+200℃の間の温度で加熱されます。すべての材料がこの工程に適しているわけではありません。特にプラスチックは高温で反ることがあります。
フエニックス・コンタクトのUV LEDタは溶剤を含まない印字液を使用します。この液体はUVイニシエータ、結合剤、着色顔料の3つの主要要素で構成されています。UV LED印字テクノロジの鍵は、光化学的に誘導される重合です。紫外線放射により、液体開始剤をラジカルに変換します。ラジカルとは、結合可能な1つの自由電子を持つ分子です。ラジカルは、モノマーと呼ばれる結合成分中の分子を活性化し、それらと結合して鎖およびマトリックスを形成します。そのような鎖をポリマーと言います。それらは着色顔料を取り囲み、それにより熱を生成せずに液体を硬化させます。
プリントヘッド
基本的に、2つ異なるプリントヘッドのタイプがあります。
連続のインクジェット | ドロップ・オン・デマンド方式のインクジェット (DOD) | |
---|---|---|
プリントヘッドタイプ | ||
インク液滴を発射する | 常時 | 適宜(実際の印字プロセス中) |
インク/液体 | 高い溶剤含量使用 | 溶剤あり/溶剤なし |
ノズル | 連続噴射の個別ノズル | 垂直方向に送られる液滴を使用する多数のノズル |
解像度 | 低 | 高 |
Drop-on-Demandインクジェットには、次の2種類の印字ヘッドテクノロジが使用可能です:
バブルジェット法: ここでは電気加熱により蒸気泡が生成された後、派生圧力によりノズルから液滴を押し出します。蒸気泡を生成するには、溶剤を含むインクが必要です。バブルジェットは、家庭用向けなど低価格のプリンタ内にて使用されます。
__ピエゾジェット法:__ここでは、2つのノズルチャネルは、電気パルスによって波動する圧電性結晶から成ります。液滴はその後この方法により発射されます。ピエゾジェットは高品質かつ耐久性の高い印字ヘッドで、例えばUV印字時に使用されます。当社の製品ラインナップのBLUEMARK IDおよびBLUEMARK ID COLORプリンタもピエゾジェット法を使用します。
光スペクトル
光源
UVランプ(バーナー)は、UV光源として頻繁に使用されます。それらの使用は、構成による高熱発生に関連しています。これらのバーナーは特に高性能ですが、放出される紫外線の変動も大きいです。このように、UV Cバーナー(波長100~280 nm)もUV A(315~380 nm)およびUV Bの範囲(280~315 nm)で光を放出します。
UV LEDの波長範囲
LEDはバーナーランプの代替品となります。UV LEDは非常に狭い範囲(UV A)で光を放射するため、バーナーよりも著しい低分散を有します。UV誘起光化学重合は、しばしば200~400ナノメートルの波長範囲にあります。もう一つの特長は、熱発生が非常に小さいことです。これにより、フエニックス・コンタクトのBLUEMARK ID(カラー)など、より小型で軽量なプリンタを実現することができます。