未来志向型の食肉生産を実現 当社のエネルギー計測ユニット、オープンなPLCnext Technology Ecosystem、Smart Serviceを使用すると、リソースを効率的かつ持続可能な形で活用することができます。

持続可能な食品生産:最新の農業

お客様情報


食品生産現場の生の牛肉

Frigosorno社 チリにおける高級食肉生産の国際的なマーケットリーダー

  • Frigosorno社は、世界有数の食肉生産地の一つにおける、業界トップ企業のひとつです。
  • 1945年にチリのオソルノ(Osorno)で設立されて以来、同社は自社のバリューチェーンの全体にわたり、最高水準の品質基準を維持してきました。
  • 特にその革新的な生産プロセスや持続可能なエネルギーコンセプトにより、Frigosorno社は未来志向の食品生産における世界的なマーケットリーダーの中の1社に挙げられます。

課題


食肉処理場で清掃中の従業員

リソースの効率的な使用

高級食肉の生産には、穀物畑への給水から、飼料の生産、食肉処理における大量の電力消費、そして生産施設から配送先までの加工肉の複雑な冷却プロセスに至るまで、大量の原材料とエネルギーが必要となります。
Frigosorno社は、同社が、いつ、何のために、どれだけの電力と水を消費しているかについての概要を、可能な限り正確に把握できるようにしたいと考えていました。目的は、エネルギーやその他のリソースの実際の使用量について高い透明性を確保することでした。これによって生産プロセスを効率的に設計することができます。将来的には、節約の可能性を認識してこれを活用できるようになります。
例えば、ある生産工程では、大量の水が特定の温度まで加熱されます。Frigosorno社は、調整措置の開始時点で、電気と水がどの程度の量使用されていたのかを調査したいと考えていました。加えて、Frigosorno社は消費量の削減方法を実施した場合にどの程度作業が軽減されているかを把握することも求めていました。

家畜小屋にいる農業従事者

さまざまな生産設備における法規制に基づくエネルギーと水の消費量の統合

2025年から新たな法的要件が施行されます。チリ政府は、地下水および再処理工場などのその他の水源からの水の使用量について、正確なリストの提出を求めています。これに向けて、水の量と状態の両方について正確に記録・文書化を行うためさまざまな測定点やセンサが必要となります。こうした要件によって、企業は水源の実際の使用量について高い透明性を確保し、法的要件に正確に適合しなければならないという課題に直面しています。

さまざまなメーカー製の生産システムコンポーネントを使用していること自体が、新しい法的要件への対応における大きな課題となります。測定機器は互換性が確保されておらず、均一な結果が得られませんでした。このため、水源の特定や文書化には困難が伴いました。他のプロバイダーは、既存の計測ユニットとセンサを交換しなければ、インターフェースのオープン性の課題を解決することができませんでした。

ソリューション


チリのFrigosorno社において、コンポーネントでフエニックス・コンタクトの制御盤に接続された水測定点

エネルギー計測ユニットを使用して取得した関連データ

このプロジェクトを成功に導いた重要な要素は、チリでの当社のエキスパートとFrigosorno社チームとの密接な協力関係でした。プロジェクトの開始時は、電流消費量を監視するために、フエニックス・コンタクト製EMproエネルギー計測ユニットが1台のみ使用されていました。Frigosorno社の従業員は、使いやすいプラグ・アンド・プレイ式ソリューションの操作に慣れ親しみました。生産を続けながら、計測ユニットが次々と追加で設置され、稼働を開始しました。

デジタル化されたデータを用いたダッシュボードIIoTフレームワークMLnext

インターフェースのオープン性によるOTとITのシームレスな統合

OTおよびITの接続性に関し、メーカーに依存しないインターフェースを用意してオープン性を確保しているため、Frigosorno社は生産プロセスにおける既存のすべてのコンポーネントを簡単にネットワーク化することができます。既存および新たに設定したコンポーネントからのデータは、設置された3台のPLCnextコントローラに統合されます。データは、オープンなPLCnext Technology EcosystemとIIoTフレームワーク経由で、サイバーセキュリティ規格に準拠してProficloud.io IIoTプラットフォームに送信されます。そこで、フエニックス・コンタクトのSmart Serviceによって表示、分析、管理のために処理されます。Proficloud.ioは、Frigosorno社がフエニックス・コンタクト製ハードウェアでも他社メーカー製コンポーネントでも、自社の機器を簡単にプラグ・アンド・プレイでクラウドインフラに接続できるようにするIIoTプラットフォームです。

時系列データサービス(Time Series Data Service)

エネルギーやリソースの消費に関する透明性

Frigosorno社は常に、分かりやすい分析機能を用いて、自社のエネルギーやリソースの消費に対する完全な透明性と制御機能を備え、節約の可能性を特定・活用することができるようにしています。電気と水の消費を改善し、法的要件や報告義務へ対応するため、フエニックス・コンタクトの時系列データサービス(Time Series Data Service)が利用されています。ハードウェアが収集したデータは、このSmart Serviceのダッシュボードに表示されます。会社の従業員は、個別にカスタマイズされたダッシュボードにより、統合されたエリア全体のエネルギー消費を確認することができます。個々のエリアやシステム別にデータを表示することが可能です。例えば、さまざまな分野での水の消費量や、リサイクルのための下水の排水量などをダッシュボードに表示させることができます。関連データを含むレポートが作成され、関連当局に簡単に転送されます。

時系列データサービス(Time Series Data Service)

Proficloud.ioの時系列データサービス(Time Series Data Service)は、高性能なアラート機能を備えています。この機能により、Frigosorno社は電気や水の消費量などのさまざまなパラメータに関するユーザー定義の閾値を指定することができるようになりました。こうした閾値を超えると、直ちに担当の従業員に自動で通知が送信されます。これは、企業が異常な消費パターンに即座に対応し、適切な措置を講じるのに役立ちます。したがって、リソースをより効率的に活用し、コストを削減することができるようになります。こうした包括的な監視とアラームの機能により、Frigosorno社は常に、社内のエネルギーとリソースの消費に対する完全な透明性と制御機能を確保しています。これにより、企業は節約の可能性を見つけ出して活用することができるようになります。

特長

  • データの表示・分析による、生産の効率と透明性の向上
  • 当局への法定報告義務に準拠するための容易なレポート機能
  • 生産中に順を追って拡張可能な実装を行うことで円滑な統合と取得コストの低減が可能
  • メーカーに対しオープンなPLCnext Technology Ecosystemと既存の測定機器の統合
  • 直接ロゴスキー接続に対応したEMproエネルギー計測ユニットは、既存のシステムへの後付け設置が可能

お問い合わせ先


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ポイント:


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持続可能な食肉生産のために最適化された生産プロセス

Frigosorno社は、さまざまなデジタル工場ソリューションを段階的に導入することで、電力と水の消費全体をほぼリアルタイムで把握・制御できるようになりました。拡張可能でオープンなPLCnext Technologyにより、既存のすべてのコンポーネントと測定システムを、1つのインテリジェントなシステムに統合することができました。Smart Serviceを使用すると、データを明確に表示し、分析して、レポートを作成することができます。将来的には、生産プロセス内ですべての蒸気とガスのサイクルを監視することも可能になります。目的は、すべてのプロセスにおけるカーボンフットプリントを最小限に抑え、持続可能性を最大化するために、エネルギーと天然資源の使用をさらに効率化することです。