当社の監視システムは、各パイプトレースヒーターのアンペア数を測定します。0.5 Aの逸脱で、分散制御システムに警告メッセージが生成され、直ちに制御室のモニタ、あるいは遠隔地の作業場に表示されます。これにより従業員は、早期に変化を検出することができます。即座に対応できるため、システムの高可用性を確保することができます。
無線ベースのパイプトレースヒーターの監視 Sappi Stockstadt GmbH社の製紙・パルプ工場
地上配管システムは、その中を輸送される材料が常に確実に目的地に到達するように、加熱されます。製紙・パルプメーカーであるSappi Stockstadt社では、Radioline無線システムが、疑わしい測定値を即座に制御室で表示することで、確実に早期の対策をとれるようにします。
お客様情報
Sappi Limited社は、紙、製紙用パルプ、化学パルプソリューションの世界をリードするサプライヤーです。
製紙会社のSappi Stockstadt GmbH社では、2018年3月から、トレースヒーター監視向けの無線通信ソリューションが使用されています。
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Sappi Stockstadt GmbH社では、550名を超える従業員が、毎年最大145,000 メートルトンのパルプと230,000 メートルトンの紙を製造しています。
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拠点には独自の発電所と廃水処理施設があります。
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印刷およびメディア業界で高く評価される上質紙は、高級な雑誌やカタログ、美術書、ハイエンド印刷広告の製造用に、全世界の約100か国に出荷されています。
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最大1,000 メートルトンの紙が、毎営業日ごとに工場から出荷されます。
アプリケーション 計画外のシステムシャットダウンを確実に回避
個々のトレースヒーターシステムは以前は特殊な検査期間中に定期的に検査されていました。さらに、残留電流駆動型サーキットブレーカを使用して、すべてのトレースヒーターシステムを監視していました。しかし経験上、すべての故障を確実に検出できるわけではありませんでした。
パイプ凍結のため、荷下ろしプロセスはを開始後すぐに再度停止しなければなりませんでした。これには、影響のあるパイプラインの時間とコストのかかる除氷および洗浄が伴い、最悪の場合には一時的な製造ダウンタイムにつながることもありました。
パイプトレースヒーターシステムは、常に過酷な環境条件にさらされるため、劣化します。
ソリューション 疑わしい測定値を直ちに制御室に表示
Stockstadt社では、異なる建物部分の間にケーブル配線がなかったため、測定値を既存の分散型制御システムにうまく統合させる方法が、解決すべき特殊な課題でした。これにより、シンプルで信頼できる信号伝送が必要になりました。
独自のRadioline無線システムでは測定値を無線で転送することができます。アプリケーション要件に応じて、さまざまなトポロジを使用します。無線経路のソリューションを見つけた後、トレースヒーターシステムの信号はModbus/RTUサーバモジュールを経由して分散型制御システムに統合されました。
特に厚いコンクリート壁のため、無線通信の実現には不安がありました。現場での無線試験が実施され、導入シナリオにどの伝送周波数とアンテナタイプが適しているかを判断しました。
必要なコンポーネントは迅速に特定され、確実な無線伝送の証拠が予算承認の根拠として提供されました。
まとめ 定期的な巡回検査は不要
すべてのパイプトレースヒーターシステムからのデータは、制御室に転送され、そこで表示されます。個々のトレースヒーターのアンペア数のほかに、緊急時にも警告メッセージが従業員に表示されます。
建物部分間の複雑なケーブル配線は不要です。測定値は当社のRadioline無線システムを使用して、無線で分散型制御システムに伝送されます。データは制御室および作業場向けのプロセス制御システムの監視ソリューションに、中央で利用できます。このため時間のかかる巡回検査が不要になります。
監視システムにより、複数のパイプトレースヒーターシステムを同時に監視でき、変化を直ちに検出することができます。このように、ソリューションはシステムの可用性向上に役立つだけではなく、作業負荷とコストを削減させることができます。
Radioline無線ステムにより、複数のパイプトレースヒーターシステムを同時に監視でき、変化を直ちに検出することができます。