サージ保護 – 基本 サージ保護に関するテクノロジ、規格、指令。

制御盤内にサージ保護を設置する人

このような質問にお答えします

  • サージ電圧はどのように発生し、どのような影響があるのでしょうか。
  • 効果的なサージ保護コンセプトはどのようにして作成すればいいのでしょうか。
  • 保護コンセプトと製品の背後にはどのようなテクノロジがあるでしょうか。
  • 留意点は何でしょうか。

過電圧の原因

過電圧とは一体何でしょうか。サージ電圧が発生するしくみとは。サージ電圧が機器やシステムに入り込む仕組みとは。このような疑問を抱かれていると思います。ここではサージ保護技術の概要を説明します。

原因

サージ電圧は瞬間的に発生します。このことからサージ電圧は過渡電圧または過渡過電圧と呼ばれます。立ち上がり時間は数マイクロ秒と短く、その後最大100マイクロ秒をかけて比較的ゆっくり下がっていきます。
サージ電圧は次の原因で発生します。

雷放電(LEMP)
技術用語では雷放電をLEMPと表します。これはLightning Electromagnetic Pulse(雷電磁パルス)の略語です。
嵐の落雷で非常に高い過渡過電圧が発生します。スイッチング操作や静電気放電で発生するサージ電圧よりもずっと高いものです。とはいえ他の原因よりも発生頻度はずっと低くなっています。

スイッチング操作(SEMP)
スイッチング操作はSEMPと表します。これはSwitching ElectroMagnetic Pulse(電磁パルスのスイッチング)の略語です。
この文脈ではスイッチング操作は高性能の機器のスイッチングや電源ネットワークの短絡を意味します。このような操作では影響を受けるケーブルで瞬時に大きな電流変化が発生します。

静電気放電(ESD)
ESDは静電気放電の略語です。
静電位が異なる導体が近接したり接触すると電荷が移動します。よくある例は、床に敷き詰めたカーペットを歩くと人体に充電され、金属レールなど金属製の接地体に触れて放電するという場合です。

結合の種類

サージ電圧はさまざまな方法で回路に入り込みます。次の結合種類があります。

過電圧の結合タイプ

抵抗結合(左)、磁界結合(中)、電界結合(右)

抵抗結合
回路で直接結合するサージ電圧です。落雷などで発生します。この場合、落雷した建物の接地抵抗に雷電流が流れて過電圧が発生します。
この電圧は一括等電位ボンディングに接続するケーブルに印可します。雷電流が流れる導体にも過電圧が発生します。電流上昇の速度が速いため、この電圧はケーブルのインピーダンスのうち誘導成分に起因します。この値はファラデーの誘導法則u0 = L x di/dtから求めることができます。

磁界結合
このプロセスは、変流器の原理に従い他の通電ケーブルの磁場を通じて発生します。直接結合した過電圧で電線内に急激なサージ電流が発生します。
同時にこの導体の周囲には変圧器の一次巻線のように強磁界が形成されます。この磁界は変圧器の二次巻線のようにすぐそばの他の導体に過電圧を誘起させます。結合過電圧はケーブルを通じて接続機器に伝わります。

電界結合
このタイプの結合は、主に大きな電位差を持つ2点間の電界を通じて発生します。落雷により、高い電位が直撃雷用アレスタの引下げ導線を通じて発生します。引下げ導線と他の低電位部品との間に電界ができます。
例えば、電源や信号線のケーブルや建物内部の装置などです。電荷は電界を通じて移動します。このため電圧が上昇し、最終的にケーブルや機器への過電圧となる場合があります。

サージ電圧が発生する方向

サージ電圧は影響を受けた回路で2方向に発生します。

コモンモード電圧(左)とノーマルモード電圧(右)における過電圧の動作の方向

コモンモード電圧(左)とノーマルモード電圧(右)

コモンモード電圧
コモンモード電圧[UL]は、活電部導体と接地の間にサージ電圧や高周波干渉電圧による干渉が生じた場合に発生します。非対称という表現もよく用いられます。
非対称電圧で、主に活電部電位とアース接地間の部品や活電部電位と接地された導体の電位との間の絶縁が危険にさらされます。この結果、プリント基板上または通電している機器と接地済みのハウジング部品の間に火花が発生します。

ノーマルモード電圧
ノーマルモード電圧[UQ]は、回路の活電部導体間にサージ電圧または高周波干渉電圧で干渉が起こると発生します。対称モードおよび差動モードの用語も使われます。
対称サージ電圧で、装置とインターフェースの電圧と信号入力が危険にさらされます。電源や信号処理部品など、影響を受けた機器が直接過負荷となったり破壊されたりします。

過電圧の影響

多くの場合、回路に入り込む過電圧は設備や機器に大きな被害をもたらします。常時使用している機器には非常に高いリスクがあります。この場合、被害によるコストが非常に高くなります。
被害を受けた機器の交換や修理でコストがかかるだけではありません。長時間のシステムダウンタイムやソフトウェアあるいはデータの損失でさらにコストが発生します。

図:過電圧による損失の発生(出典:GDV/2019)

過電圧による損失の発生(出典:GDV/2019)

損失の発生

保険会社の統計によると、毎年過電圧で膨大な金額の損失が発生しています。ほとんどの場合、電子システムのオペレータはハードウェアの損害保険で補填されています。しかしソフトウェアへの被害とシステム障害の多くは保険の適用外で経済的な負担がのしかかります。
2019年のドイツの保険会社の統計によれば、雷およびサージによる被害だけでかなりの割合になります。近年、請求の数は若干減少していますが、家財と住居に対する保険請求に対して、年間約2億ユーロが支払われています。(出典:ドイツ保険協会、GDV)

過電圧を受けた電子部品の被害

過電圧を受けた電子部品の被害

潜在リスク

それぞれの回路は固有の電圧で動作します。このため、許容限界の上限を超えるあらゆる電圧が過電圧となります。
被害の範囲は、使用している部品の耐電圧と影響を受けた回路で変換するエネルギーによって大きく異なります。

サージ保護の保護回路の原理の説明

保護回路の原理の説明

保護コンセプト

保護回路の原理は過電圧に対する完全な保護のコンセプトを表しています。保護対象機器を囲うように虚円を描きます。円内でケーブルが交差する箇所すべてにサージ保護機器を設置する必要があります。保護機器を選ぶときは該当する回路の定格データを考慮する必要があります。したがって、保護回路内のエリアはサージ電圧カップリングが回避される方法で保護されます。
保護回路のコンセプトは次の分野に分かれます。

  • 電源
  • 計測制御テクノロジ
  • IT
  • トランスミッタとレシーバのシステム
典型的な一戸建てを例にした個別保護ゾーンの箇所

典型的な一戸建てを例にした個別保護ゾーンの箇所

保護ゾーン

効果的な保護を実現するには、影響を受ける機器の設置場所と機器にとっての危険な影響を特定することが重要です。次の図は、典型的な一戸建ての個別保護ゾーンの場所を表しています。

LPZは雷保護ゾーン(Lightning Protection Zone)の頭文字をとった略語で、さまざまな危険ゾーンを意味します。ゾーンごとに次の特長があります。

  • LPZ 0A(直雷):屋外危険ゾーンです。
  • LPZ 0B(直雷):屋外危険保護ゾーンです。
  • LPZ 1: 高エネルギーの過電圧が存在する屋内危険ゾーンです。
  • LPZ 2: 低エネルギーの過電圧が存在する屋内危険ゾーンです。
  • LPZ 3: 過電圧および機器やケーブル自体から発生するその他の影響がある危険なゾーンです。
図:ケーブルの誘導電圧の原因

ケーブルの誘導電圧の原因

ケーブルのサージ電流の影響

過電圧は高周波数電流の放出と過渡過電圧プロセスで制限されます。つまり第一に重要なのはオーム抵抗ではなくケーブルの誘導抵抗であることを示しています。
ファラデーの電磁誘導の法則によれば、このような過電流が接地電位に放出されると結合点と地面の間にサージ電圧が生成されます。

u0 = L x di/dt

u0 = 誘導電圧(V)
L = インダクタンス、Vs/A(H)
di = 電流の変化(A)
dt = 時間間隔(秒)

誘導性抵抗は、ケーブルを短くするか放電路を並列に接続した場合にのみ下げることができます。このため、できるだけしっかり結合したメッシュ状等電位ボンディングが放電路の総インピーダンスと残留電圧を最小にする最高のテクニカルソリューションとなります。

家屋内の等電位ボンディングシステム

等電位ボンディングシステム

等電位ボンディング

完全な保護は完全な絶縁または完全な等電位ボンディングによってのみ実現できます。ただし完全に絶縁するのは多くの実用アプリケーションで不可能なため、完全な等電位ボンディングだけが残ります。
これを実現するには、すべての導電性部品を等電位ボンディングシステムに接続する必要があります。保護機器で一括等電位ボンディングに活線を接続します。過電圧が発生した場合、それらは導電性であり、過電圧を短絡します。この方法で過電圧による被害を効果的に防止することができます。
次のようなさまざまな等電位ボンディングシステムを作成することができます。

  • ライン状等電位ボンディング
  • スター状等電位ボンディング
  • メッシュ状等電位ボンディング

メッシュ状等電位ボンディングは最も効果的な方式で、ここですべての導電性部品が別々のケーブルに接続し、他のケーブルは最短経路ですべての終端点に接続します。このタイプの等電位ボンディングはコンピュータセンターなど非常に影響を受けやすいシステムに適しています。

電源の多段式保護コンセプト

機器やシステムの保護に必要な対策は、選定した保護機器や予想される環境の影響によって、二段階または三段階に分かれます。各段階の保護機器はその段階の放電容量レベルや電圧保護レベルによって異なります。
次のように設置場所により異なる三段階の保護コンセプトがあります。

  • クラスI:雷電流アレスタ
    電圧防護レベル < 4 kV、通常の設置場所:主配電盤
  • タイプ2:サージ保護機器
    電圧防護レベル < 2.5 kV、通常の設置場所:分電盤
  • タイプ3:機器保護
    電圧防護レベル < 1.5 kV、通常の設置場所:末端機器の上流
    保護レベル1と2は、雷電流アレスタとサージアレスタの複合型タイプ1+2にも実装することができます。この保護機器はタイプ1およびタイプ2アレスタと同じ要件を満たします。特長は簡単に設置ができることです。特別な設置条件を考慮する必要もありません。
    雷電流アレスタとサージアレスタの複合型タイプ1+2と、独立したタイプ3アレスタによる三段階の保護コンセプト:
  • 雷電流アレスタとサージアレスタの複合型タイプ1+2
    電圧防護レベル < 2.5 kV、通常の設置場所:主配電盤
  • タイプ3:機器保護
    電圧防護レベル < 1.5 kV、通常の設置場所:末端機器の上流
都市部での落雷

サージ保護の基本をダウンロード

基本に関するパンフレットで、電気設備向けの照明とサージ保護を詳細にご説明しています。最も重要な事実を端的に見つけることができます。この部門が直面するさまざまな課題にはどのようなソリューションが対応するのか見つけることもできます。また専門家だけが知っているような相互関係や背景に関する知識も深めてください。

真に刺激的な読み物になることを願います!

部品と保護回路

過電圧発生時は、影響を受ける機器とケーブルを非常に短い時間内に等電位ボンディングで短絡させる必要があります。これに適した特性を持つ部品が多数用意されています。基本的にこの部品は応答動作と放電性能が異なります。

サプレッサダイオードの記号とU/I特性曲線

サプレッサダイオードの記号とU/I特性曲線

サプレッサダイオード

特性:

  • 通常、この機能を精密保護と呼びます。
  • 非常にすばやく応答。
  • 低い電圧制限。
  • 低耐電量・高容量の標準バージョン。
  • 定格電圧が5 Vの最大放電性能はおよそ750 Aです。
  • 定格電圧がさらに高い場合、放電性能は大幅に減少します。

特長:

さらに定格電圧が高く放電性能が大きいダイオードもあります。ただし、そのようなダイオードはかなりサイズが大きく、複合型の保護回路では使用することはほとんどありません。

主な仕様項目:

UR = 逆電圧
UB = 破壊電圧
UC = クランプ電圧
Ipp = サージ電流パルス
IR = 逆電流

金属酸化物バリスタの記号とU/I特性曲線

金属酸化物バリスタの記号とU/I特性曲線

バリスタ

特性:

  • 通常、この機能を標準保護と呼びます。
  • 応答時間は数十ナノ秒程度の範囲です。
  • ガス入りサージ保護機器より応答が速いです。
  • 続流が発生しません。

特長:

計測制御技術では公称放電電流が最大2.5 kAのバリスタを標準保護レベルとして使用します。電源分野では、公称放電電流3 kAのバリスタをタイプ3アレスタの保護回路の主要保護部品に使用し機器を保護します。タイプ2サージ保護機器で使用するバリスタはさらに高性能です。この用途では、標準バージョンは公称放電電流最大20 kAまで耐えることができます。特殊アプリケーション用に最大80 kAのタイプ2保護機器も用意されています。

主な仕様項目:

A = 高抵抗動作エリア
B = 低抵抗動作エリア/制限エリア

ガス入りサージ保護機器の記号と点弧曲線

ガス入りサージ保護機器の記号と点弧曲線

ガス入りサージ保護機器

特性:

  • 通常、この機能を標準保護と呼びます。
  • 応答時間は中ナノ秒範囲です。
  • 標準バージョンの放電電流は最大20 kAです。
  • 放電性能が高いのにも関わらず、非常にコンパクトな部品です。

特長:

この部品では、ストレス依存点火で数百 Vにも達する残留電圧が発生します。

主な仕様項目:

1)静的応答動作
2)動的応答動作

スパークギャップの記号と点弧特性曲線

スパークギャップの記号と点弧特性曲線

スパークギャップ

特性:

  • 雷電流アレスタの主要部品
  • 続流遮断容量が高い
  • 応答速度が比較的高い
  • 電圧依存点弧動作

特長:

多くの場合、高性能の雷電流アレスタの主要部品はスパークギャップです。この部品には近接して向き合う2つのスパークホーンがあります。過電圧でスパークホーンの間に火花が発生しアークが生じます。このプラズマ場で過電圧が短絡します。この時、非常に大きく峻度の高い電流が立ち上がり、その値は三桁のkA範囲に至ります。スパークギャップには開放型と密閉型があります。物理的に、開放型のスパークギャップの方が放電性能や遮断容量が大きくなります。

消弧技術はスパークギャップに非常に効果的であることが実証されています。この場合、いわゆるバッフル板も電極の反対側に取り付けられています。電極間のアークはバッフル板に向かい、そこで消失します。この結果アーク火花が形成されてもスパークギャップから吹き飛ばされて簡単に消失します。過電圧が存在しなくなるとスパークギャップは再び高抵抗を示します。

主な仕様項目:

UZ = スパークオーバー電圧/ストライク電圧
tZ= 応答時間

抵抗性減結合による二段階保護回路(左)と誘導性減結合による三段階保護回路(右)

抵抗性減結合による二段階保護回路(左)と誘導性減結合による三段階保護回路(右)

信号インターフェース用組合せ回路

アプリケーションに応じてさまざまな部品を使用します。個別で使用することも複雑な保護回路で組み合わせることもできます。

さまざまな部品を組合せて必要な部品の特長を寄せ集めることができます。例えば、ガス入り放電管とサプレッサダイオード回路を組み合わせるとノイズに弱い信号用インターフェースに使用できる標準保護回路になります。この組合せにより、可能な限り最善の保護レベルを持つ高性能・高速応答の電圧保護が実現できます。

部品を間接的に並列で切換え、保護レベルにします。言い換えれば、抵抗性または誘導性減結合エレメントを部品間に挿入して閉回路を構成することになります。異なる時間に応答する互違いの保護レベルになります。

保護回路は主に次の要素により特長が異なります。

  • 保護レベルの数
  • 回路の動作方向(コモンモード/ノーマルモード保護)
  • 定格電圧
  • 信号周波数の減衰効果
  • 電圧保護レベル(制限電圧)
二段階保護回路での電圧分岐

二段階保護回路での電圧分岐

多段式保護回路の機能

過電圧が発生すると、サプレッサダイオードが最も速い部品として最初に応答します。放電電流はサプレッサダイオードと上流の減結合抵抗を流れます。電流が減結合抵抗を流れると電圧降下が発生します。これはサプレッサダイオードとガス入りサージ保護機器のスパークオーバー電圧の差に対応します。

このためサプレッサダイオードのサージ電流が過負荷になる前にガス入り放電管のスパークオーバー圧が最大になります。つまり、ガス入り放電管が応答する時点で放電電流はガス入り放電管をほぼ通過しています。ガス入り放電管の残留電圧が最大の20 Vになるとサプレッサダイオードが解放されます。サプレッサダイオードを過負荷にしない低放電電流の場合、ガス入りサージ保護機器は応答しません。

図の回路では速い応答速度と低い制限電圧を持ちながら高い放電性能を持つという特徴を示します。誘導性減結合による三段階保護回路も同じ原理で動作します。ただし通信は二段階となり、最初にサプレッサダイオードからバリスタに伝わり、次にガス入りサージ保護機器に伝わります。

分電の仕組みは電源の異なる保護レベル同士でも有効です。UWはタイプ1とタイプ2の保護機器間、タイプ2とタイプ3の保護機器間の導線にわたって降下します。ただし、ケーブルの長さにかかわらず保護段同士を組合せ可能な電源用サージ保護機器もあります。

主な仕様項目:

UG = ガス入りサージ保護機器のスパークオーバー電圧
UD = サプレッサダイオードの制限電圧
UW = 減結合抵抗にわたる電圧差

規格と指令 サージ保護機器の雷保護、設置仕様、製品選定に関する一般規格

設置と安全性の要件および各種アプリケーションでの製品の使い方についてはさまざまな規格で詳しく説明されています。以下に、主な項目と関連する国際規格を示します。

サージ保護の規格、指令、規則を示す図
サージ保護の規格、指令、規則を示す図
規格、指令、規則を示す図
サージ保護の規格、指令、規則を示す図
サージ保護の規格、指令、規則を示す図

雷保護―Part 1:一般原理
雷保護―Part 1:一般原理
• IEC 62305-1
• EN 62305-1
• DIN EN 62305-1(VDE 0185-305-1)

雷保護―Part 2:リスク管理
雷保護―Part 2:リスク管理
• IEC 62305-2
• EN 62305-2
• DIN EN 62305-2(VDE 0185-305-2)

雷保護―Part 2:リスク管理―補遺1:ドイツでの雷の脅威
雷保護―Part 2:リスク管理―補遺1:ドイツでの雷の脅威
• DIN EN 62305-2 補遺1(VDE 0185-305-2 補遺1)

雷保護―Part 2:リスク管理―補遺2:構造に関するリスク評価のための計算支援、CD-ROM付
雷保護―Part 2:リスク管理―補遺2:構造に関するリスク評価のための計算支援、CD-ROM付
• DIN EN 62305-2 補遺2(VDE 0185-305-2 補遺2)

雷保護―Part 2:リスク管理、補遺3:DIN EN 62305-2(VDE 0185-305-2)の適用に関する追加情報
雷保護―Part 2:リスク管理、補遺3:DINEN62305-2(VDE0185-305-2)の適用に関する追加情報
• DIN EN 62305-2 補遺3(VDE 0185-305-2 補遺3)

雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険
雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険
• IEC 62305-3
• EN 62305-3
• DIN EN 62305-3(VDE 0185-305-3)

雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―補遺1:DIN EN 62305-3の適用に関する追加情報
雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―補遺1:DIN EN 62305-3(VDE 0185-305-3)の適用に関する追加情報
• DIN EN 62305-3 補遺1(VDE 0185-305-3 補遺1)

雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―補遺2:特殊構造の追加情報
雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―補遺2:特殊構造の追加情報
• DIN EN 62305-3 補遺2(VDE 0185-305-3 補遺2)

雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―補遺3:雷保護システムの試験とメンテナンスに関する追加情報
雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―補遺3:雷保護システムの試験とメンテナンスに関する追加情報
• DIN EN 62305-3 補遺3(VDE 0185-305-3 補遺3)

雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―補遺4:雷保護システムにおける金属屋根の使用
雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―補遺4:雷保護システムにおける金属屋根の使用
• DIN EN 62305-3 補遺4(VDE 0185-305-3 補遺4)

雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険;補遺5:太陽光発電システムの雷および過電圧保護
雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険;補遺5:太陽光発電システムの雷および過電圧保護
• DIN EN 62305-3 補遺5(VDE 0185-305-3 補遺5)

雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―建物への物理的な被害と人命への危険、補遺6:DIN EN 62305-3(VDE 0185-305-3)に準拠する雷保護の要件に関する追加情報
雷保護―Part 3:建物への物理的な被害と人命への危険―建物への物理的な被害と人命への危険、補遺6:DIN EN 62305-3(VDE 0185-305-3)に準拠する雷保護の要件に関する追加情報
• DIN EN 62305-3 補遺6(VDE 0185-305-3 補遺6)

雷保護―Part 4:建物内の電気および電子システム
雷保護―Part 4:建物内の電気および電子システム
• IEC 62305-4
• EN 62305-4
• DIN EN 62305-4(VDE 0185-305-4)

雷保護―Part 4:建物内の電気および電子システム―補遺1:雷電流の分担
雷保護―Part 4:建物内の電気および電子システム―補遺1:雷電流の分担
• DIN EN 62305-4 補遺1、VDE 0185-305-4 補遺1

サージ保護の規格、指令、規則を示す図

低電圧サージ保護機器―Part 11:低電圧電源システムに接続したサージ保護機器―要件と試験方法
低電圧サージ保護機器―Part 11:低電圧電源システムに接続したサージ保護機器―要件と試験方法
• IEC 61643-11
• EN 61643-11
• DIN EN 61643-11(VDE 0675-6-11)

低電圧サージ保護機器―Part 12:低電圧分電システムに接続したサージ保護機器―選定と適用の原則
低電圧サージ保護機器―Part 12:低電圧分電システムに接続したサージ保護機器―選定と適用の原則
• IEC 61643-12
• EN:非対応
• DIN EN 61643-12(VDE 0675-6-12)

低電圧サージ保護機器―Part 21:テレコミュニケーションおよび信号用ネットワークに接続したサージ保護機器―性能要件と試験方法
低電圧サージ保護機器―Part 21:テレコミュニケーションおよび信号用ネットワークに接続したサージ保護機器―性能要件と試験方法
• IEC 61643-21
• EN:非対応
• DIN EN 61643-21(VDE 0845-3-1)

低電圧サージ保護機器―Part 22:テレコミュニケーションと信号用ネットワークに接続したサージ保護機器―選定と適用の原則
低電圧サージ保護機器―Part 22:テレコミュニケーションと信号用ネットワークに接続したサージ保護機器―選定と適用の原則
• IEC 61643-22 & CLC/TS 61643-22
• EN:非対応
• DIN CLC/TS 61643-22(VDE V 0845-3-2)

低電圧サージ保護機器―Part 31:太陽光発電設備のSPD要件と試験方法
低電圧サージ保護機器―Part 31:太陽光発電設備のSPD要件と試験方法
• IEC 61643-31
• EN 61643-31
• DIN EN 61643-31(VDE 0675-6-31)

低電圧サージ保護機器―直流を含む特定用途のサージ保護機器 – Part 32:選定と適用の原理 – 太陽光発電設備に接続したSPD
低電圧サージ保護機器―直流を含む特定用途のサージ保護機器 – Part 32:選定と適用の原理―太陽光発電設備に接続したSPD
• IEC 61643-32
• EN:非対応
• DIN EN 61643-32(VDE 0675-6-32)

風力発電システム―Part 24:雷保護
風力発電システム―Part 24:雷保護
• IEC 61400-24
• EN IEC 61400-24
• DIN EN IEC 61400-24(VDE 0127-24)

規格、指令、規則を示す図

最大定格電圧1,000 V

低電圧電気設備―Part 1:基本原理、一般的特性の評価、定義

• IEC 60364-1
• HD 60364-1
• DIN VDE 0100-100(VDE 0100-100)

低電圧電気設備―Part 200:定義

• IEC 60050-826
• EN:非対応
• DIN VDE 0100-200(VDE 0100-200)

低電圧電気設備―Part 4-41:安全保護―感電保護

• IEC 60364-4-41
• HD 60364-4-41
• DIN VDE 0100-410、VDE 0100-410

低電圧電気設備―Part 4-43:安全保護―過電流保護

• IEC 60364-4-43
• HD 60364-4-43
• DIN IEC 60364-4-43(VDE 0100-430)

低圧電気設備―Part 4-44:安全保護―妨害電圧及び電磁妨害に対する保護―Clause 443:大気現象または開閉による過渡的過電圧に対する保護

• IEC 60364-4-44
• HD 60364-4-443
• DIN VDE 0100-443(VDE 0100-443)

低電圧電気設備―Part 5-51:電気機器の選択と設置―一般的な仕様

• IEC 60364-5-51
• HD 60364-5-51
• DIN VDE 0100-510(VDE 0100-510)

低圧電気設備―Part 5-53:電気機器の選定及び施工―断路、開閉及び制御―Clause 534:過渡的過電圧保護機器

• IEC 60364-5-53
• HD 60364-5-53
• DIN VDE 0100-534(VDE 0100-534)

低圧電気設備―Part 5-54:電気機器の選定及び施工―接地設備及び保護導体

• IEC 60364-5-54
• HD 60364-5-54
• DIN VDE 0100-540(VDE 0100-540)

低圧電気設備―Part 6:検証

• IEC 60364-6
• HD 60364-6
• DIN VDE 0100-600(VDE 0100-600)

感電保護―設備及び機器の共通事項

• IEC 61140
• EN 61140
• DIN EN 61140(VDE 0140-1)

低圧開閉装置と制御装置の組立て―Part 1:一般規則

• IEC:準備中
• EN:非対応
• DIN EN 61439-1(VDE 0660-600-1)

低圧開閉装置と制御装置の組立て―Part 2:電源用開閉装置と制御装置の組立て

• IEC:準備中
• DIN EN IEC 61439-2(VDE 0660-600-2)

サージ保護の規格、指令、規則を示す図

メータパネル―Part 1:一般要件
メータパネル―Part 1:一般要件
• DIN VDE 0603-1(VDE 0603-1)

Part 1:一般要件
Part 1:一般要件
• IEC 60269-1
• EN 60269-1
• DIN EN 60269-1(VDE 0636-1)

電気アクセサリ―家庭向け設備等の過電流保護サーキットブレーカ―Part 1:交流稼働用サーキットブレーカ
電気アクセサリ―家庭向け設備等の過電流保護サーキットブレーカ―Part 1:交流稼働用サーキットブレーカ
• IEC 60898-1
• EN 60898-1
• DIN EN 60898-1(VDE 0641-11)

電気アクセサリ―家庭向け設備等の過電流保護サーキットブレーカ―Part 1:交流稼働用サーキットブレーカ、補遺1:DIN EN 60898(VDE 0641)に準拠するサーキットブレーカと、DIN VDE 0641-21(VDE 641-21)に準拠する選択的メインサーキットブレーカの操作方法
電気アクセサリ―家庭向け設備等の過電流保護サーキットブレーカ―Part 1:交流稼働用サーキットブレーカ、補遺1:DIN EN 60898(VDE 0641)に準拠するサーキットブレーカと、DIN VDE 0641-21(VDE 641-21)に準拠する選択的メインサーキットブレーカの操作方法
• DIN EN 60898-1補遺1(VDE 0641-11補遺1)

家庭向け設備等の過電流保護サーキットブレーカ―Part 2:交流および直流動作用サーキットブレーカ
家庭向け設備等の過電流保護サーキットブレーカ―Part 2:交流および直流動作用サーキットブレーカ
• IEC 60898-2
• EN 60898-2
• DIN EN 60898-2(VDE 0641-12)

家庭向け等の過電流保護非内蔵残留電流稼働サーキットブレーカ(RCCB)―Part 1:一般規則
家庭向け等の過電流保護非内蔵残留電流稼働サーキットブレーカ(RCCB)―Part 1:一般規則
• IEC 61008-1
• EN 61008-1
• DIN EN 61008-1(VDE 0664-10)

家庭向け等の過電流保護内蔵残留電流稼働サーキットブレーカ(RCBO)―Part 1:一般規則
家庭向け等の過電流保護内蔵残留電流稼働サーキットブレーカ(RCBO)―Part 1:一般規則
• IEC 61009-
• EN 61009-
• DIN EN 61009-1(VDE 0664-20)

電気設備の運用―Part 100:一般要件
電気設備の運用―Part 100:一般要件
• IEC:非対応
• EN 50110-1 & EN 50110-1
• DIN VDE 0105-100(VDE 0105-100)

テレビ信号、音声信号、インタラクティブサービス向けのケーブルネットワーク―Part 11:安全性
テレビ信号、音声信号、インタラクティブサービス向けのケーブルネットワーク―Part 11:安全性
• IEC:準備中
• EN:非対応
• DIN EN IEC 60728-11(VDE 0855-1)

建物用接地システム―計画、実施、ドキュメント
建物用接地システム―計画、実施、ドキュメント
• DIN 18014

住居用建物の電気設備―Part 1:計画の原理
住居用建物の電気設備―Part 1:計画の原理
• DIN 18015-1

住居用建物の電気設備―Part 2:最小機器の性質と範囲
住居用建物の電気設備―Part 2:最小機器の性質と範囲
• DIN 18015-2

公共電気ネットワークによって供給される電気の電圧特性、ドイツ語版
公共電気ネットワークによって供給される電気の電圧特性、ドイツ語版
• EN 50160
• DIN EN 50160

CENELEC規格電圧
CENELEC規格電圧
• EN 60038
• DIN EN 60038(VDE 0175-1)

大電圧試験テクニック―Part 1:一般的定義と試験要件
大電圧試験テクニック―Part 1:一般的定義と試験要件
• IEC 60060-1
• EN 60060-1
• DIN EN 60060-1(VDE 0432-1)

機械類の安全性―機械の電気機器―Part 1:一般要件
機械類の安全性―機械の電気機器―Part 1:一般要件
• IEC 60204-1
• EN 60204-1
• DIN EN 60204-1(VDE 0113-1)

低電圧交流電力システムのサージ過電圧とサージ保護 - 一般的基礎情報
低電圧交流電力システムのサージ過電圧とサージ保護 - 一般的基礎情報
• IEC/TR 62066
• DIN VDE 0184(VDE 0184)

低電圧電源システム内の機器の絶縁調整―Part 1:原理、要件、試験
低電圧電源システム内の機器の絶縁調整―Part 1:原理、要件、試験
• IEC 60664-1
• EN:非対応
• DIN EN 60664-1(VDE 0110-1)

低電圧システム内の機器の絶縁調整―Part 2-1:アプリケーションガイド―IEC 60664シリーズのアプリケーションの説明、寸法例と絶縁耐圧試験
低電圧システム内の機器の絶縁調整―Part 2-1:アプリケーションガイド―IEC 60664シリーズのアプリケーションの説明、寸法例と絶縁耐圧試験
• IEC/TR 60664-2-1
• EN:非対応
• DIN EN 60664-1補遺1(VDE 0110-1補遺1)

低電圧電源システム内の機器の絶縁調整―補遺3:インターフェースの考慮事項、アプリケーションガイド
低電圧電源システム内の機器の絶縁調整―補遺3:インターフェースの考慮事項、アプリケーションガイド
• IEC/TR 60664-2-2
• EN:非対応
• DIN EN 60664-1 付録3、VDE 0110-1 付録3

サージ保護機器
• UL 1449

サージ保護機器の分類

サージ保護機器(SPD)はバリスタ、サプレッサダイオード、ガス入り放電管(GDT)、スパークギャップなどを主要部品とする装置です。サージ保護機器は許容できない高い過渡的過電圧と過渡的電流から他の電気機器や電気システムを保護し、等電位ボンディングを作るために使用します。サージ保護機器は、サージ保護機器向けの関連する製品とアプリケーションの規格に従って、「クラス」に分類されます。
サージ保護機器は用途や保護機能に応じて次のように分類されます。

低電圧システムで使用する最大定格電圧1000 Vのサージ保護機器(SPD)です。

製品の選定と設置では、IEC 61643-12、IEC 60364-5-53 Part 534、VDE 0100 Part 534などの低電圧システムに関する各国の設置仕様を順守する必要があります。製品規格はEN(IEC) 61643-11です。IECおよびEN規格サージ保護機器は、この規格に従って、放電性能および代表的な設置場所に基づいて3つの試験クラスに分類されます。

  • タイプ 1 SPD:直接または近隣への落雷によって生じる高エネルギーサージ電流/サージ電圧向けの、高性能のサージ保護機器。設置場所:雷保護ゾーンLPZ 0Aと雷保護ゾーンLPZ 1との境界。通常は主配電。建物外部に雷保護システムが設置されている場合は必ずタイプ 1 SPDが推奨されます。

  • タイプ2 SPD:遠隔地への落雷、誘導結合または容量結合、過電圧のスイッチングによって生じる高エネルギーサージ電流/サージ電圧向けの、高性能のサージ保護機器。設置場所:雷保護ゾーンLPZ 0Bと雷保護ゾーンLPZ 1との境界、またはLPZ 1とLPZ 2との境界。通常は主配電および/または分電盤。

  • タイプ3 SPD:過電圧に弱い末端機器を保護する追加のサージ保護機器(機器保護)。設置場所:雷保護ゾーンLPZ 2と雷保護ゾーンLPZ 3との境界。通常は過電圧に弱い末端機器の近く。このような過電圧に弱い末端機器には、保護する末端機器の上流側ソケットエリアで配電盤やポータブル保護機器に固定設置する装置が含まれます。

一般的な説明についてはIEC 61643-12またはDIN EN 61643-12アプリケーションガイド(選定と適用原理)をお読みください。EN(IEC) 62305-…/VDE 0185-305-…の4つの部(part)で雷保護の基礎、雷保護ゾーンの考え方、リスク解析について扱っています。

__テレコミュニケーションや信号ネットワークで使用するサージ保護機器__で、落雷や他の過渡過電圧サージ電圧の影響から直接的・間接に保護するため設計されています。これには最大定格電圧1000 V ACおよび1500 V DCの低電圧データシステム、計測制御回路、音声伝送ネットワークも含まれています。

製品規格はEN 61643-21、VDE 0845 Part 3-1です。試験要件と性能クラスを定義するために、装置はこの規格に従ってA1、A2、B1、B2、B3、C1、C2、C3、D1、D2のカテゴリに分類します。保護機器はさまざまなカテゴリと性能クラスでマーキングして試験することができます。

一般的な説明についてはIEC (TS) 61643-22アプリケーションガイドをお読みください。また、VDE 0800…およびVDE 0845…の各部(Part)にも説明があります。さらに各国の仕様を順守する必要があります。