インテリジェントな負荷管理を備えた充電パーク GP Joule社は、太陽光発電、風力発電、バイオガスを使用して電気自動車を充電し、フエニックス・コンタクトと共に同社の駐車場向けの柔軟な負荷管理ソリューションを開発しました。
概要
- GP Joule社は太陽光、風力、およびバイオマスからの再生可能発電と、E-Mobility向けのソリューションを提供しています。
- 多くの企業が、電気自動車へのニーズに応じた電力供給をどのように確保するかという問題に取り組んでいます。
- ソリューションは、利用可能な接続負荷を、設置されているすべての充電ポイントにルールに基づいて確実に分配する、負荷管理システムです。
- GP Joule社は、同社の駐車場とすべてのお客様向けの柔軟なソリューションとして、フエニックス・コンタクトのCHARX manageソフトウェアを見出しました。
お客様のプロファイル
問題をソリューションに―GP Joule社は2015年に、このモットーでエレクトロモビリティ市場に参入しました。ニーズに応じたソリューションが不足していたため、企業はほぼ未開拓の中でエキスパートパートナと協力して、自らがE-Mobilityと充電インフラのプロバイダになっていきました。GP Joule Connect社は2015年からPhoenix Contact E-Mobility GmbHと緊密に連携しています。
ドイツのロイセンケーゲ(Reußenköge)にあるGP Joule社の、ハードウェア製品開発担当Jonas Elbroend氏(左)、ソフトウェア製品開発担当Piet Gömpel氏
アプリケーション
新しい充電パークの基本となる要素は常に、充電ステーションです。「例えば安定性、ユーザの利便性、エネルギー効率、幹線接続などの欠如は、生じたあとで修正することが困難です。」と、Jonas Elbroend氏が自身のGP Joule Connect社でのハードウェア製品開発者としての経験をもとに述べます。「内蔵の充電コントローラは、充電プロセス中の電流を制御する必要があり、また、上位システムからの制御が可能である必要があります。」 さらに、充電コントローラはさまざまな充電モードを選択できるように、柔軟であるべきです。
実現が望まれるその他充電機能には、充電ポイントを保護し、負荷を切替えるための6 mA DC障害検知システムと、30 mA残留電流機器がありました。充電ソケットを備えたモード3、ケースBの充電では、電源障害時に充電コネクタをロック解除するために、充電コントローラに電圧監視機能も含まれていなければなりません。
負荷管理システムを実装するためには、充電ポイントを3本の電線間で順にローテーションする必要があります。これにより、不平衡の最大負荷(エネルギープロバイダが指定)を超えないようにしています。このような状況から、ハードウェアとソフトウェアも完璧に調和させる必要があります。
正しい充電コントローラ(下の2段)は最適な負荷管理の基礎となります
ソリューション
充電パークの電源を、利用可能な接続負荷を通してどのように確保するかという課題が非常に重要です。「充電パークのエネルギーフローを制御するために、エネルギー管理システムが必要です。」とElbroend氏が説明します。「これは、1つの充電パークを担当する自律的なものもあれば、総合的なビル管理システムの一部となるものもあります。」 自律的システムでは、充電パークを管理するために指定される値は利用可能な接続負荷のみです。
「フエニックス・コンタクトのイーサネット対応のCHARX control advanced充電コントローラと、CHARX manageソフトウェアにより、最適なエネルギー管理が促進されます。」と、GP Joule Connect社のソフトウェア製品開発者Piet Gömpel氏は説明しています。「コントローラはModbus/TCPを介してソフトウェアにより管理されます。充電プロセスの承認も管理して充電電流を調整します。」
GP Joule社は充電パークを必要に応じて段階的に拡張可能
充電パークのオペレータは、充電プロセスをローカルまたは課金システムを使用して請求することができます。GP Joule社も、自社で課金用にソフトウェアのエクスポート機能を使用し、消費データの転送を行っています。対照的に、公共部門では充電プロセスは通常バックエンドプロバイダによって請求されます。バックエンドプロバイダは消費データをOCPP経由で受信します。このプロトコルはCHARX manageの不可欠な部分です。
GP Joule社は現在、ロイセンケーゲ(Reußenköge)に30超、その他の場所に20を超える充電ステーションを運営しています。充電ポイント数の拡大は、10、30、または50箇所の充電ポイント用のライセンスを使用して簡単に行うことができます。「当社のお客様は、数か所の充電ポイントのみの基本的な設置から始める場合が多いです。」とGömpel氏が言います。「アップグレードライセンスを使用して、いつでも充電ポイントを追加して柔軟に拡張することができます。」
CHARX manageを使用して、従業員は充電状態と占有時間に関する診断情報にアクセス可能
CHARX manageを使用すると、充電パーク、個々の充電ポイント、負荷管理、課金システムへの接続のためのパラメータを、ウェブベースのインターフェースで簡単に設定することができます。任意のPCからウェブブラウザで設定することができます。例えば、オペレータがログインすると関連する設定を表示したり変更したりすることができます。
タッチPCおよびRFIDリーダーを備えた中央端末に、電気自動車の運転者がログインできる場合、直観的に分かるユーザーインターフェースで充電ポイントを選択して充電プロセスを開始することができます。あるいはボックス型PCを使用して、各充電ポイントにRFIDリーダーを備えてユーザーログインを行うこともできます。
まとめ
このアプローチを使用して、GP Joule Connect社は2019年には約300の充電ポイントを運用しています。運用、エネルギー管理、可用性に関する顧客の厳しい要件を満たすため、CHARX manageにはクラウドサービスを使用する機能も実装されています。
Jonas Elbroend氏は次のようにまとめます。「フエニックス・コンタクトのCHARX manageは、エネルギー管理、運用、アップグレード保証に関して専門的な要件を持ち、10~数十の充電ポイントを将来持ちたいと考える企業向けに調整されています。」
Piet Gömpel氏が追加します。「CHARX manageを使用すると、充電パークのさまざまな環境で充電ソリューションを柔軟に使用することができます。」 当社は、増加する顧客ベースで、解析から、計画や実装、運用まで、包括的なソリューションを提供できます。