産業用タイムサーバFL TIMESERVERの正面図

イーサネットネットワーク対応のタイムサーバ イーサネット経由で時刻とジオロケーションを特定

産業用タイムサーバFL TIMESERVER NTPにより、NTPプロトコル経由でイーサネットネットワーク内で時刻情報が利用可能になります。時刻は、GPS、Galileo、またはGLONASSの信号を経由して、他のNTPサービスからは独立してインターネット接続のない状態で受信されます。内蔵アンテナ付きのIP68筐体は、屋外設置に適しています。これにより、外部GNSSアンテナの購入・取付けが不要になります。

特長

  • NTPプロトコルを介したネットワーク上のイーサネット機器の時刻同期
  • NMEA、SNMP、またはウェブベースの管理による正確な位置情報
  • セキュリティ強化のためにインターネットに接続しない状態での日付、時刻、位置データ
  • 屋外に直接設置できる内部アンテナ付き耐候性ケース
  • イーサネットケーブル1本でデータ伝送と機器への電源供給(PoE)
GNSSレシーバ付きのNTPタイムサーバ
遠隔制御アプリケーションのための正確な時刻同期 YouTube

産業アプリケーション用タイムサーバ ネットワーク内で常に正しい時間

堅牢なタイムサーバは、インターネットアクセスのないネットワークで、またはインターネット接続が失われた場合のフォールバックタイムサーバとして使用されます。機器には内部アンテナ付きの屋外用防水ケースを採用しています。

タイムサーバはGPS、Galileo、またはGLONASSの信号を受信し、NTP経由でネットワーク内の時刻を、必要に応じてNMEA経由でジオロケーションデータも、各ネットワーク機器に提供します。電源はPoEまたは24 V DCにより便利に供給されます。

タイムサーバは、ウェブベースの管理システムで設定されます。有効なGNSS信号を受信してSatfixが現れるとすぐに、機器上のLOCK LEDとウェブベースの管理システムで表示されます。接続状態や機器情報をSNMPで取得します。

タイムサーバの機能概略図

産業用タイムサーバのアプリケーション分野

時刻同期

フエニックス・コンタクトのFL TIMESERVER NTPは、インターネットベースのタイムサービスおよびパブリックNTPサーバの代替として機能します。 イーサネットネットワークでは、すべての機器に正確なシステム時刻を同期させることがますます重要になってきています。これにより、ネットワーク内の分散したすべてのアクティビティの時刻が高い精度で記録されます。一連のイベントは、すべての機器がまったく同じ時刻を表示する場合にのみ解析することができます。

例えば、ネットワーク機器内のログファイル、イメージマッピングやタイムマッピングを行ったカメラ画像、IEC 60870-5-104またはDNP3に準拠したタイムスタンプを用いた遠隔制御プロトコル、などが挙げられます。

FL TIMESERVER NTPは、NTPプロトコルを介してネットワーク上のイーサネット機器の正確な時刻同期を実現します。この機能はインターネットに接続する必要がないため、ネットワークにおけるセキュリティが向上します。

街中の道路

輸送分野におけるNTPプロトコルを介したジオロケーション

ジオロケーション

FL TIMESERVER NTPは、正確なジオロケーション情報(GPS座標)を提供します。この情報は、正確な位置を特定するために利用することができます
(例:コンテナ、移動機械、建設機械、車両、移動建物など)。 ウェブベース管理、SNMP、NMEA、またはJSONストリーミングによる正確な位置決定。

ネットワークの時間階層レベル(stratum:階層構造)

ネットワークの時間階層レベル(stratum:階層構造)

NTPによる時刻配信の精度

NTPによる時間分布は、strata(階層構造stratumの複数形)と呼ばれるものに階層的に構造化されたものです。Stratum 0は最上位の階層を表し、時刻源として機能します。これには例えば、DCF-77の無線信号も時刻を受信する静止した原子時計や、GNSS衛星の原子時計などがあります。

FL TIMESERVER NTPはGNSSレシーバのため、stratum 1に位置します。Stratum 1には、ネットワーク上で最も正確な時刻を持ち、NTPタイムサーバとして他の機器に時刻を伝える、時刻源に直接接続されている機器が含まれます。それ以降のstrataはすべて、時刻源とは直接関係なく、stratum 1の時刻情報を使用します。

FAQ:正確な時間とは - 各種時間スケールとそれらによる決定

実際に正しいのはどちらの時間ですか。それは何に基づいて決定されるのでしょうか:地球の自転速度でしょうか。それとも原子のエネルギー状態を変化させる一定速度でしょうか。真実(少なくとも人間が作り出した真実)は、その中間にあります。国際原子時(TAI)、世界時(UT)、協定世界時(UTC)が、3つの主な時間スケールです。TAIが数百個の原子時計の時刻の平均値であるのに対して、UTは天文観測・測定の結果になります。

後者はグリニッジを通過する本初子午線で観測されたものであり、グリニッジ標準時(GMT)と混同しないようにしてください。変動によって、UTとTAIはどんどん離れていっています。また、地球は平均的に安定して減速しているだけでなく、「ぐらぐら」と異なる速度で回転していることもわかっています。そのため、回転速度を継続的に確認し、0.9秒を超えて差が生じた場合は、うるう秒が加算されます。 その結果、1972年以降、国際的に有効な時刻として機能し、現代社会の実質的な基礎となっている「協定世界時(UTC)」が誕生したのです。

FL TIMESERVERの概要

GNSSレシーバ付きのNTPタイムサーバ
GNSSレシーバ付きのNTPタイムサーバ

型式 FL TIMESERVER NTP
温度範囲 -40°C~+70°C
ケース 内部アンテナ付きIP68
電源 10 V DC~30 V DCまたはPoE(Power over Ethernet)
対応するナビゲーション衛星システム GPS、Galileo、GLONASS(自動切替え)
イーサネット 1 x RJ45 (10/100/1,000 Mbps)
製品番号 1107132
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