INキャンパスのエネルギー計測ユニット エネルギー効率を高めるためには、まず良質なデータが必要です。このため、Audi社はエネルギー計測ユニットEEM-EM377の採用を決定しました。課題および実施した計画やソリューションの詳細をご覧ください。

サーバルーム
上から見たAUDI AG社データセンター

このデータセンターは、最新式のハードウェアとソフトウェアで、AUDI AG社の将来のプロジェクトをサポートします(画像出典元:Audi MediaCenter)

データに基づく高レベルのエネルギー効率 INキャンパス内のAudi社データセンターにあるエネルギー計測ユニット

Audi AG社とインゴルシュタット(Ingolstadt)市の共同プロジェクトであるINキャンパスは、ドイツのインゴルシュタット(Ingolstadt)の製油所跡地に建設中です。最初の建設段階にはAudi Vehicle Safety Centerが含まれており、2023年に竣工しました。今後は、2,000 m²の敷地に最新型ITコンポーネントを装備した新しいデータセンターの建設も予定されています。データセンターはエネルギーを大量に消費するインフラであり、持続可能な未来のためには、そのエネルギー消費を最適化しなければなりません。Audi社はフエニックス・コンタクトのエネルギーメーターの採用を決定しました。これらの機器は、優れた基準となるデータを提供し、結果として効果的なエネルギー管理を実現します。これを基に、エネルギー効率向上の可能性が特定され、このための手法が実施されます。

データセンター用の冷却システムのバルブ

自社の冷却システム:季節や電力に応じて一定の温度を保つための、冷却システムにおける冷却システム内での冷却生成とサーバールームへの需要に基づく分配(画像出典元:Audi MediaCenter)

課題 エネルギー消費を最適化するエネルギー管理システム

データセンター内の環境は、常に同一温度でなければなりません。設置されたパワーエレクトロニクスは多量の熱を生成するため、冷却に大量のエネルギーが必要となります。Audi社は、特にエネルギーコストの上昇と二酸化炭素排出削減の必要性を考慮し、データセンターの高いエネルギー要件を低減するという課題に直面しました。建物はエネルギー管理システムの統合用の規格DIN EN 50600に基づき計画、建設、操作されました。Congiv GmbH社と共に、Audi社はデータセンターの高いエネルギー要件を低減し、環境を保護するためのオーダーメイドのエネルギー管理システム(EMS)を開発しました。このEMSは、エネルギー関連のすべての値を記録、統合、表示します。

各機器は電流、電圧、有効電力、無効電力、皮相電力、エネルギー(kWh)、パワーファクタ(cosPhi)などの60種類の電力関連値を記録します。1個のタップオフユニットに設置された4個の三相メーターが、最大240個の測定値を収集します。

Christian Kraus氏
Christian Kraus氏のポートレート

画像出典元:Audi MediaCenter

サーバーラックを介したタップオフユニット内の4個のエネルギーメーター

最大500 V/80 Aのネットワーク内の有効電力測定には、EEM-EM377シリーズのMID認証済みエネルギーメーターを使用します(画像出典元:Audi MediaCenter)。

ソリューション 効果的なエネルギー管理のための通信可能なエネルギーメーター

フエニックス・コンタクトはデータセンター用にエネルギー効率を監視・制御する三相エネルギーメーター(EEM-EM377)1,200個を提供しました。この計器はコンパクトで設定が簡単であり、さまざまな電力関連値を測定します。バスバーシステムがサーバー、ストレージ、ネットワークコンポーネントを接続し、これによってEEM-EM377がイーサネット経由でEMSにデータを伝送します。産業用Raspberry Piに基づく最新型のIoTゲートウェイにより、リアルタイムに処理および監視される計器データを接続・管理できます。このデータを利用して、Audi社はエネルギー消費を最適化し、エネルギー効率を向上させることができます。これによって、完全電化と持続可能な電源による未来であるAll Electric Societyに向けて前進します。

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参考事例レポート一式

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参考事例レポート:INキャンパスのエネルギー計測ユニット

結果

フエニックス・コンタクトのEMpro機器は、既存のシステムに簡単に統合でき、取得データを効率的に利用することができます。エネルギー計測ユニットEEM-EM377が、AUDI AG社が必要とするデータを提供します。このデータを評価することによって、さらにエネルギー効率を改善する手法を特定することができます。コンピュータセンターのエネルギー需要を低減することは、All Electric Societyに向けてさらに前進することとなります。これは、持続可能な形で生成されたエネルギーが、十分な量で経済的に利用可能になる世界を表します。フエニックス・コンタクトは、各種産業のこの戦略的な方向への歩みを、製品、ソリューション、サービスで可能にします。