Schluchseewerk社の揚水発電所のコンパクトなマーシャリング盤 Schluchseewerk AG社は、5つの揚水発電所を備えており、ハイライン（High Rhine）の水力発電所において大きな役割を果たしています。開閉装置の改修時期には、マーシャリング盤システムの操作を最適化することが1つの要件でした。最終的にフエニックス・コンタクトのマーシャリング盤システムPTRVが選ばれました。
お客様のプロファイル
1928年に設立され、現在はラウフェンブルク（Laufenburg）に本社を置くSchluchseewerk AG社は、欧州最大の揚水発電所運営会社の1つです。5つの揚水発電所の複合出力は1862 MWあります。自然流入により生成された再生部分は、年間合計で最大4億キロワット時にも及びます。
アプリケーション
5つの揚水発電所のポンプ水車は、ホッツェンヴァルトの森（Hotzenwald forest）の丘にあるキューモース（Kühmoos）の場所から制御され、貯水池とライン川（Rhine）の貯水池もすべてそこから管理されています。ここも1966/1967年に建設された220/380 kVの開閉装置がある場所で、ここを経由してゼッキンゲン（Säckingen）とヴェーア（Wehr）の発電所からの電力が欧州の統合されたグリッドに供給されています。
およそ20年の操業後、キューモース（Kühmoos）にある制御エンジニアリングのエラー率は増加し始めていました。欠陥部品の代替品を探すのも次第に困難になっていました。そのため、新たな制御エンジニアリングの導入が決定しました。本プロジェクトの電気工学の担当者は、Assets DivisionのElectrical Engineering Subdivision ManagerであるDietmar Kastner氏です。変換や新規建設プロジェクトは、ラウフェンブルク（Laufenburg）の本社にある彼の事務所で計画され調整されています。
最新化プロジェクトの目的は、スペアパーツ関連の問題を排除して、システムを最新テクノロジにアップグレードすることです。
ソリューション
信号からマーシャリング用パネルへの以前の接続は、TERMI-POINT®テクノロジを使用していたため非常に高価で時間がかかったことが分かっています。圧縮空気だけで作動する特別な工具を使用せずに接続することは不可能でした。圧縮空気接続が利用できない場合、圧縮機が持ち込まれるまで作業を続行することはできませんでした。
これらすべてに加えて、特殊工具の設計および重量により、現地でそれを使用することは困難で時間がかかりました。この結果、接点が繰り返し変形して、接続ポイント間で短絡が発生しました。
Schluchseewerk AG社は、技術者によって評価されたマーシャリング用パネルシステムを何台か入手した後、フエニックス・コンタクトのマーシャリング用端子台PTRVに決定しました。特に、システムのコンパクトなデザインは、他の選択肢とは一線を画すものでした。さらに、色付きインサートにより、ユーザーがマーキングを操作プロセスに合わせたり、電線の色の規格（DIN VDE 0815、IEC EN 69100）をマーシャリング用パネルシステムにマッピングすることができるなどの特長があります。端子台には、標準の測定プローブを使用して試験ができるように、2.3 mmの導通チェック穴が取り付けられています。
PTRVシステムのコンパクトなデザインにより、以前のソリューションと比較して制御盤に必要なスペースを約35 ％削減することができました。これにより制御盤の必要性が排除されるわけではありませんが、Schluchseewerk AG社は今後の拡張プロジェクトのために大幅にスペースを確保できるというということになります。端子台の最新式のPush-in式接続により、現場での設置に必要な時間を大幅に削減することができます。システムの設計により、接点の変形や接点間での短絡などのエラーは問題ではなくなりました。現場の人員の安全性は、端子台の感電防止機能により大幅に向上しました。以前は安全性の理由から可能ではなかった最大250 Vの電位による信号でも接続できるようになりました。
マーシャリング用パネルの詳細をご覧ください
コンパクトなPTRVマーシャリング用端子台は、オートメーションのアプリケーションで信号を明確に配置するために使用されます。多数の電線の配線は、シンプルに色分けされています。前面配線とともに使用すると、配線間違いの防止に役立ちます。