サージ電圧の原因

サージ電圧とは? サージ電圧が発生するしくみとは? サージ電圧がシステムや装置に入り込む仕組みとは?このような疑問をお持ちになると思います。ここではサージ保護技術の概要を説明します。

原因

サージ電圧は瞬間的に発生します。このことからサージ電圧は過渡電圧または過渡過電圧と呼ばれます。立ち上がり時間は数マイクロ秒と短く、その後最大100マイクロ秒をかけて比較的ゆっくり下がっていきます。

サージ電圧は次の原因で発生します。

技術用語では雷放電をLEMPと表します。これはLightning Electromagnetic Pulse(雷電磁パルス)の略語です。

嵐の落雷で極めて高い過渡過電圧が発生します。スイッチング操作や静電気放電で発生するサージ電圧よりもずっと高いものです。とはいえ他の原因よりも発生頻度はずっと低くなっています。

スイッチング操作はSEMPと表します。これはSwitching ElectroMagnetic Pulse(電磁パルスのスイッチング)の略語です。

この文脈ではスイッチング操作は強力な機器のスイッチングや電源ネットワークの短絡を意味します。このような操作では影響を受けるケーブルで瞬時に大きな電流変化が発生します。

ESDは静電気放電の略語です。

静電位が異なる導体が近接したり接触すると電荷が移動します。よくある例は、床に敷き詰めたカーペットを歩くと人体に充電され、金属レールなど金属製の接地体に触れて放電するという場合です。

結合の種類

サージ電圧はさまざまな方法で回路に入り込みます。次の結合種類があります。

抵抗結合(左)、磁界結合(中)、電界結合(右)

抵抗結合(左)、磁界結合(中)、電界結合(右)

回路で直接結合するサージ電圧です。落雷などで発生します。この場合、落雷した建物の接地抵抗に雷電流が流れてサージ電圧が発生します。

この電圧は一括等電位ボンディングに接続するケーブルに印可します。雷電流が流れる導体にもサージ電圧が発生します。電流の急激な増加により、この電圧はケーブルのインピーダンスのうち誘導成分に起因します。この値はファラデーの誘導法則u0 = L x di/dtから求めることができます。

このプロセスは、変流器の原理に従い他の通電ケーブルの磁場を通じて発生します。直接結合したサージ電圧で電線内に急激なサージ電流が発生します。

同時にこの導体の周囲には変圧器の一次巻線のように強磁界が形成されます。この磁界は変圧器の二次巻線のようにすぐそばの他の導体にサージ電圧を誘起させます。結合サージ電圧はケーブルを通じて接続デバイスに伝わります。

このタイプの結合は、主に大きな電位差を持つ2点間の電界を通じて発生します。落雷により、高い電位が直撃雷用アレスタの引下げ導線を通じて発生します。引下げ導線と他の低電位部品との間に電界ができます。

たとえば電源や信号線のケーブルや建物内部の装置などです。電荷は電界を通じて移動します。このため電圧が上昇し、最終的にケーブルや機器へのサージ電圧となる場合があります。

サージ電圧が発生する方向

サージ電圧は影響を受けた回路で2方向に発生します。

コモンモード電圧(左)とノーマルモード電圧(右)

コモンモード電圧(左)とノーマルモード電圧(右)

コモンモード電圧[UL]は、活電部導体と接地の間にサージ電圧や高周波干渉電圧による干渉が生じた場合に発生します。非対称という表現もよく用いられます。

非対称電圧で、主に活電部電位とアース接地間の部品や活電部電位と接地された導体の電位との間の絶縁が危険にさらされます。この結果、プリント基板上または通電している機器と接地済みのハウジング部品の間に火花が発生します。

ノーマルモード電圧[UQ]は、回路の活電部導体間にサージ電圧または高周波干渉電圧で干渉が起こると発生します。対称モードおよび差動モードの用語も使われます。

対称サージ電圧で、装置とインターフェースの電圧と信号入力が危険にさらされます。電源や信号処理部品など、影響を受けた機器が直接過負荷となったり破壊されたりします。

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