モーンスハイム(Monsheim)下水処理場が建設された1970年代および1980年代には、水の保全が重視されていました。増加し続けるエネルギー消費に直面し、運営会社(ABZ Mittleres Pfrimmtal市民下水協会)は2014年に、処理場を全面的にモダナイズする時期であると判断しました。モダナイゼーションは、運用を中断することなく2017年までに完了する予定でした。約630万ユーロが投資されたこのプロジェクトの目的は、作業をよりプロセス指向にし、長期的なリソースを節約することでした。なにより、新しいコンセプトはエネルギー消費の削減に役立つことが目的でした。さらに、処理場の補助電力消費の100%を発電する計画でした。この要件を満たすため、下水処理場で使用されるすべてのオートメーション技術をモダナイズして、個々のプロセスステップを最適化する必要がありました。
モダナイゼーションプロジェクトの責任者は、フィールド機器を制御出力に簡単に接続できるようにする高性能のモジュール式制御技術を目指しました。設備の改装後、下水処理場全体に分散する10個のPLCが、下水処理場のすべてのプロセスを制御しています。コントローラに加えて、電気設備全体が新しい制御盤に収納されました。取水場から送風機、熱・電気複合利用プラントまでの測定値は、アナログおよびデジタルインターフェース経由で記録され、分散PLCで処理されるようになりました。この分散PLCが、記録され利用可能な測定値に基づいて処理プロセスを制御します。
定義された目的が最大効率で達成されることを確実にするため、追加のオートメーションコンポーネントにより、処理場のコンセプトと制御システムが完成します。例えば、冗長なFOベースのネットワークリングが、インテリジェントスイッチを使用してプラント全体に設置されました。これにより高い可用性が確保されます。スタッフは個々のプロセスやコンポーネントの現在の状態を、プラント全体に分散するコントロールパネルから判断でき、必要に応じ関係プロセスを制御できます。
プロジェクトのもう1つの目的は、エンジニアリングプロセス中のコストを削減することでした。プロセスを改良する1つの方法は、オートメーションと視覚化のレベルを効率的にリンクさせることです。そのため下水処理場のスタッフは、Waterworxライブラリを使用してアプリケーションのプログラミングと作成を行いました。ライブラリに含まれるさまざまなブロックを使用して、さまざまなフィールド機器を簡単にアプリケーションに統合できます。Waterworxに組込みの表示インターフェースにより、プロセスパラメータを制御システムに簡単に接続できます。さらに、プログラマとオペレータは、アプリケーションの実装に際して、他の業界固有の機能によって支援されます。このコンセプトにより、さまざまなフィールド機器を、すぐに使えるブロックやオブジェクトの助けを借りて、オートメーションソリューションに統合できます。
「個々の処理ステップを新しいオートメーション技術とインテリジェントなフィールド機器と組合せてモダナイズすることにより、下水処理場の効率的な運用の基礎となる一貫したコンセプトが実現しました。」と処理場のマネージャーRalf Schmidt氏が説明します。現代的な制御システムと信頼性の高いコンポーネントのみでは、モダナイゼーションプログラムの後にできるだけ高いレベルの効率を達成するのに十分ではありません。むしろ、全体としてのソリューションを重視する必要があります。ユーザーが設定済みのブロックを使用して複雑なフィールド機器を制御システムに接続すると、コンポーネントを簡単に統合でき、運用全体を通してのアプリケーションの可用性が向上します。
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